児童虐待の通告が過去最多 相模原市、1791件

 相模原市が2015年度中に受理した児童虐待の通告件数が前年度より183件増の1791件となり、過去最多となった。市こども青少年課は「児童虐待が社会問題として頻繁に取り上げられ、関心が高まった結果とみられる」と分析している。

 市児童相談所(児相)と各区のこども家庭相談課で受理した件数をまとめた。

 内訳は「ネグレクト(育児放棄)」が最も多く、前年度比93件増の715件。全体の約4割を占めた。次いで「心理的虐待(脅迫や無視)」が55件増の660件、「身体的虐待」が36件増の410件、「性的虐待」が1件減の6件だった。

 虐待通告を行った主体の分類別では「近隣知人」の350件を筆頭に「警察」326件、「家族親戚」287件、「学校」184件などが続いた。

 虐待を受けた子どもの年齢は幼児(1歳〜就学前)が最多の724件、次いで小学生545件、中学生217件、乳児(1歳未満)214件だった。虐待者は実母1273件、実父435件で、実の両親によるものが95%を占めた。通告件数が増加したことについて、市こども青少年課は「昨年7月から児童相談所全国共通ダイヤル(189番)が始まり、通告しやすくなったことも影響した」とみている。

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