日本は56位!? 世界初、食と幸福度の関係を調査 カップヌードルミュージアム横浜・清藤館長に聞く

世界各国でのウェルビーイングが食とどう関わるかについて説明する清藤館長

 「食」に対する満足度が高い人ほど、幸福度などの指標である「ウェルビーイング」を実感している-。安藤スポーツ・食文化振興財団(以下安藤財団)と日清食品が、米国の世論調査会社ギャラップと協力し、世界で初めて行った調査で分かった。調査を率いた安藤財団事務局長でカップヌードルミュージアム横浜の清藤勝彦館長(61)に調査の意図や結果をどう評価するか聞いた。(西郷 公子)

 安藤財団は、世界初のインスタントラーメン、カップ麺の発明者である安藤百福さんが私財を投じて1983年に設立。今年で40周年を迎えるに当たり、142カ国で調査を行った。

 「食べ物が幸せにどう貢献しているか。メスを入れようということで企画した」と清藤館長。日本ではあまり耳慣れないウェルビーイングだが、働きがいを感じてもらい、生産性向上や離職率の低減につなげようと経済界の関心は年々高くなっているという。

 調査に当たり「『食』は『ウェルビーイング』を構成する重要な要素である」という仮説を設定。(1)食を楽しめているか(2)食べたものは健康的だったと捉えているか(3)食事の種類に幅広い選択肢があると感じているか-の三つに答えてもらった。

 結果は三つに「はい」とした人は、その他の人に比べ、ウェルビーイングを実感する可能性が1.62倍高いことが分かり、食と幸福度に強い相関関係があることがうかがわれた。

 また、この三つの質問を使った食の満足度指標で、各国をランキングすると、1位はオランダ、2位ベトナム、3位アイスランドなど総合的に生活評価が高い国がトップ10に入った。

 意外なことに世界に冠たる和食文化で知られる日本は、56位とかなり低い方に。(1)の食事を楽しんでいるかで日本は104位(2)の健康的かどうかで85位(3)の幅広い選択肢のみが24位と上位に。「自己評価が低いとされる日本人の感じ方が影響しているのでは」と清藤館長は分析する。

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