マイナ利用で避難所手続き10分の1時短 デジタル庁、実証結果を公表

マイナカード(資料写真)

 デジタル庁は15日、小田原市で行った避難所への受け入れや支援業務のデジタル化を検証する実証実験の結果をまとめ、公表した。マイナンバーカードを利用した避難所の受け入れ手続きの所要時間が従来と比べて10分の1に短縮したほか、状況報告書の作成時間が半分となるなど効率化が目立った。

 実験は10月、同庁と県が共同で県小田原合同庁舎(小田原市荻窪)で実施。大規模地震や富士山噴火などの広域災害を想定した避難所への受け入れ作業について、紙の記入による手続きが1人平均4分22秒かかったのに対し、マイナンバーカードの利用で26秒に短縮された。スマートフォンの避難者アプリを利用した場合は25秒と最短だったが、避難所に設置したタブレット端末を利用すると5分52秒と従来よりも手続きに時間がかかる結果となった。

 自治体への状況報告書の作成時間はデジタル化により従来の約半分に削減し、職員らの負担軽減が期待できると分析。避難所での健康管理などの運営面では、参加者の約8割が避難者アプリを通じて健康状態をタイムリーに伝えることができたと回答したという。

 河野太郎デジタル相(衆院15区)は15日の閣議後会見で「避難者の置かれている状況やニーズをデジタル技術やマイナンバーカードを用いて効率的に把握し、適切な対応を取っていきたい」と述べた。来年2月にも改めて実証実験を行い、災害の想定を変えて効果などを検証する。

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