【今月のSPOTLIGHT】Vol.2 ソン・ガン

魅惑的な悪魔役が大ハマり

Netflixで配信中の新作ドラマ「マイ・デーモン」で、不遜な“悪魔”を演じているソン・ガン。「わかっていても」の厄介なイケメン美大生から「Sweet Home -俺と世界の絶望-」の戦う男子まで、どんな役を演じてもすてきオーラが漏れてしまうソン・ガンだけど、今回の彼もかなり魅惑的。人間たちの魂を担保に甘い取り引きを持ちかけることで、永遠の命を享受してきた悪魔役が大いにハマっている。

ところが、この悪魔のチョン・グウォン、ある女性との出会いにより、悪魔としての能力を失ってしまうというピンチに見舞われ…。彼にいまだかつてない危機をもたらしたのは、大財閥の後継者であるト・ドヒ(キム・ユジョン)。ドヒとの出会いを境になぜか悪魔の力を使えなくなってしまったグウォンだが、彼女の手を握っている時だけ能力が使える様子? なんとか力を取り戻したいグウォンと、後継者という立場から周りは敵だらけの環境で育ち、今や命すら狙われているドヒ。協力せざるを得なくなった両者のすったもんだが、スリリングな展開の中で繰り広げられていくことになる。

無敵の悪魔らしく、威張りん坊モードで大胆に振る舞ってきた毎日から一転、力を失くしてアタフタするグウォンがとってもキュート。冷酷さでは彼に負けていないドヒを相手に「ああだこうだ」と言い合う光景も楽しい。作品自体はファンタジー仕立てのラブコメに分類されるため、けんかしているうちにロマンティックな雰囲気が漂い始めるのもお約束。グウォンは力を取り戻せるのか? ドヒの命を狙うのは誰なのか? というミステリーの中で、ソン・ガンの魅力がもれなくさく裂していく。

現在は、サバイバルホラー「Sweet Home -俺と世界の絶望-」のシーズン2も配信中のソン・ガン。こちらでは引き続き主人公の高校生、チャ・ヒョンスを演じているのだが、ヒョンスはヒョンスでかなり大変そう。人間が怪物化する異様な終末世界で、自らも怪物化してしまうヒョンス。しかし、半怪物、半人間状態となる特殊なケースの存在であることが判明し、彼は今まで以上に複雑な運命を突きつけられることになる。かたや「Sweet Home -俺と世界の絶望-」では血にまみれながらバトルに次ぐバトルを強いられ、かたや「マイ・デーモン」では美しくロマンティックな悪魔に。どちらのソン・ガンも見逃せないし、それぞれの作品で外見すらかなり異なる彼の幅広い役作りと演技力にもうならされるところ。せっかくの機会なのでぜひ、2作を見比べてみてほしい。

【プロフィール】

ソン・ガン Song Kang
1994年4月23日生まれ。韓国出身。「カノジョは嘘を愛しすぎてる」(2017年)で俳優デビュー。「恋するアプリ Love Alarm」(19年)や「Sweet Home -俺と世界の絶望-」(20年)といったNetflixオリジナルドラマでブレークし、“Netflixの息子”と呼ばれるようになる。「恋するアプリ Love Alarm」は21年にシーズン2が配信され、「Sweet Home -俺と世界の絶望-」はシーズン3までの配信が決定済み。ほかの出演作には「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」(21年)、「わかっていても」(21年)、「気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!」(22年)などがある。

【番組情報】

Netflixシリーズ「マイ・デーモン」(全16話)
Netflixで独占配信中

文/渡邉ひかる

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