「ひき逃げ事件」を緊急取材 14時間後にスピード逮捕 きっかけは「ごみ」捜査の重要なポイントは?

SBS静岡放送が報じた静岡県内で起きた「ひき逃げ事件」です。12月4日磐田市、12月6日沼津市。2023年12月前半で2件のひき逃げ事件が発生し、ともに逮捕されています。

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「ひき逃げは逃げきれない」と耳にするかと思いますが、静岡県内で起きたひき逃げ事件では、実際にどんな捜査が行わたのか。緊急取材しました。

事件が起きたのは、12月5日の午前5時15分。静岡県沼津市の市道で自転車に乗って歩道を走っていた男性2人が前から走ってきた車にはねられる事故が発生。1人は手首の骨を折る重傷を負いました。

<一緒に走っていた男性>
「全部で4人で走っていて事故に遭ったのが2人」
Q.スピード出てましたか?
「そうですね」

<沼津警察署 土屋直也交通課長>
「ちょうどこの辺りで反対方向から来た被疑者の車が歩道に乗り上げ、2台の自転車と衝突した事故です」

警察は、約14時間後に容疑者の男をスピード逮捕しました。一体、どんな捜査が行われたのか。

<沼津警察署 土屋直也交通課長>
「まさにここにゴミが捨てられていて、そのゴミが被疑者が逃走するときに捨てていったという目撃証言があって、ゴミの中身を調べたら近所のスーパーとかコンビニとかで購入した商品が入っていたので」

容疑者逮捕のきっかけになったのは、何とごみでした。

静岡県警によりますと、2023年に起きた「ひき逃げ事件」は98件で、そのうち94件が検挙に至っています。その検挙率は95.9%。死亡ひき逃げ事件に限ってみると、11年連続で検挙率100%となっています。

ごみをきっかけに容疑者逮捕まで、どんな捜査が行われたのか。捜査中の事件で、話せないことも多いという前提のもと、話せる限りで取材を依頼しました。

現場に捨てられたごみから容疑者逮捕に至った沼津市の2人重軽傷ひき逃げ事件。
捜査の重要なポイントになったのはー

「(近くの)店の防犯カメラを詳しく調べたところ、被疑者の顔や服装、乗っていた車の車種や色などがわかりました」

「店」というのは、捨てられたモノが購入された店のこと。今回は、スーパーとコンビニが該当し、そこで買い物をした容疑者の姿が防犯カメラに映っていたのです。

<沼津警察署 土屋直也交通課長>
「一般家庭や店舗に防犯カメラが設置されていることがあるので、こうした事件があると防犯カメラの映像を集め、その画像の内容から犯人につなげていくことがよくあります」

さらに現場周辺の防犯カメラなどの映像をつなぎ合わせ、逃走経路を割り出したといいます。

もちろん、ひき逃げ事件では「必ず現場に残る」と言われる車のほんの小さな部品や塗料などからの科学捜査も行われます。

最後に、もしも自分が「ひき逃げ」にあってしまったら、どうしたら良いのでしょうか。

<沼津警察署 土屋直也交通課長>
「余裕があればスマホとかを持っていれば写真や動画を取ってもらえると非常に有効です。また、車のナンバーの数字を覚えてもらうことも有効ですが、忘れてしまうこともあるのでメモしてもらう。過去の経験では路面に(石など)何かで数字を書いて覚えていた例もあるので、何かにメモしてもらうのが有効です」

その場で救急車を呼ぶなど、救護措置を取っていれば命は助かっていたはず、という事例も少なからずあるそうです。万が一、事故を起こしてしまったら、なんとか心を落ち着かせ、被害者を救護、そして警察へ通報することを必ず守りましょう。

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