松に縁起物をつり下げ、子どもの健やかな成長を願う播磨の風習「松飾り」を気軽に取り入れてもらおうと、兵庫県姫路市東延末3の「かきうち駅南人形」が、リースや造花松でできたお手軽な松飾りを考案し、人気を集めている。(橘高 声)
松飾りは、初めて正月を迎える子や孫に、祖父母などが弓矢や羽子板などとともに贈る。松の木にさいころや金の玉、タイの飾りなどを付け、正月を華やかに彩る。さいころは「芽(目)が出るように」、金の玉は「円満になり、宝を持てるように」など、装飾の一つ一つに験かつぎの意味が込められている。
同店の店長高橋由起美さん(55)によると、姫路市内や市川町、たつの市などに伝わる風習だが、近年松が手に入りにくいなどの理由で飾る家が減っているという。
播磨の風物詩を残そうと、高橋さんがリースや造花の松に飾りを付けた「現代版松飾り」を考案。姫路市内でフラワーアレンジメント講師を務める、任(にん)和子さん(53)に制作を依頼した。
松飾りは注文を受けてから任さんが一つ一つ手作りする。「花と違い、飾りは堅いし立体なので難しい。土台のリースらしさを残しつつ、おめでたい感じが伝わるようにした」と任さん。高橋さんは「家の柱や壁に穴を開けられないというお客さんにも好評」とアピールする。
3500円が基本料金で、取り付ける飾り代が別途必要。リースか造花松かを選べる。同店TEL079.281.8606