クリスマス 「子どもに本を」 ブックサンタ、配布準備 困窮世帯支援 NPO、参加呼びかけ 茨城

寄贈本の配布準備を進めるスタッフと本を選ぶ子ども=阿見町本郷

生活に困窮する世帯などの子どもたちへクリスマスに本を贈る企画「ブックサンタ」で、寄付された本が茨城県内に届き始めた。本年度は県内31店舗が参加し、支援団体などを通して計約550冊を配布予定。全国で8万冊の配布を目標としているが、現在は約5万冊にとどまっており、活動に取り組むNPO法人が参加を呼びかけている。

ブックサンタの活動はNPO法人「チャリティーサンタ」(東京)が主催し、2017年に始まった。活動に参画する書店で寄付の意思を伝えて本を購入すると、同NPOや全国の支援団体を通して、子どもたちに届けられる仕組み。過去6年間で14万冊余りが寄付された。

全国1683店舗と連携しており、県内では22年の14店舗から今年は大型書店や個人店の計31店舗と2倍以上に増加した。

同NPOによると、支援要請は年々増加しており、今年は全国約300の団体・施設に約8万冊の本を送る目標を掲げている。今月上旬には5万冊を突破した。担当者は、寄付に謝意を示した上で「周囲の人に紹介してもらえるとうれしい」としている。

県内では、同NPOのつくば支部と支援団体4団体が茨城県分約550冊を配布する。このうち、無料塾や子ども食堂を開く市民団体「ami seed」(阿見町、清水直美代表)は23日、約100冊を配布する予定だ。

同団体では今月上旬、スタッフやボランティアの学生が、メッセージカードを添えた本をラッピング。子どもたちは本を手に取りながら「これ読みたかった!」「どうしよう、迷う」などと話していた。

同団体はブックサンタの企画に加わって3年目。清水代表によると、子どものクリスマスプレゼントとして数千円の本を買えない世帯も多いといい、「受け取った本を何度も読んでくれている子がいる。今年も、受け取った子どもにとって大切な1冊になればうれしい」と話した。

寄付の受け付けは24日まで。クリスマスに間に合わない場合は、翌年以降に誕生日プレゼントなどで配布される予定。

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