平日、家族と過ごすために休んでOK 日光市内小中学校で県内初の「ラーケーション制度」 来年度から年間3日間

 栃木県日光市は15日、子どもに平日、学校を休ませ、家族と校外活動を行うことを認める「ラーケーション制度」を来年4月に市内小中学校で導入することを明らかにした。観光産業が主力の同市では土日、祝日に休暇を取得できない親も多い。市は「『休み方改革』により家族と過ごす時間が拡大。親、子どもの双方にメリットをもたらす」としている。市によると、同様の制度導入は栃木県内で初めて。

 同日開かれた市議会議員全員協議会で説明した。

 「ちょこっとスタバケ日光」の名称で制度化する。「スタバケ」は子どもの学習(スタディー)と親の休み(バケーション)を組み合わせた造語という。

 家族で旅行や自然体験、芸術活動、スポーツ体験などをする際、学校に届けを出せば、3日間(連続取得も可)の活動休暇が認められる。

 こうした「休み方改革」の推進は、6月に全国知事会が提言。ラーケーション制度は名古屋市を除く愛知県と大分県別府市が本年度の2学期から導入し、沖縄県座間味村が来年4月からの導入を予定している。

 日光市は制度化することで、子どもの体験の機会や親と過ごす時間が増えるほか、保護者にとっても休日の過ごし方の幅が広がり、年次休暇の取得促進などが期待できるとしている。

 山越秀克(やまこしひでかつ)市観光経済部長は「観光を主産業とする日光では親子で休日を過ごせない家庭も多い。教育に携わる側、労働に携わる側の双方から『休み方』改革を求める声があった」とし「子どもと保護者の触れ合いの機会を増やすことで、休暇満足度の向上、年次有給休暇の取得促進が図れる。これが雇用の促進や生産性の向上、さらには移住・定住にもつながることを期待している」と話した。

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