スペースジェット開発中止 「技術者のうぬぼれが原因」 社長が責任を負えない、日本企業の体質が影響か

MRJ元社長・川井昭陽氏

12月16日にテレビ愛知で放送された「激論!コロシアム」では、2023年2月に発表されたスペースジェット開発中止について取り上げた。三菱航空機の元社長・川井昭陽氏がテレビ愛知の取材で「技術者が言うことを聞いてくれなかった」「技術者は自分たちでやりますという態度で、うぬぼれがあった」と発言。この発言をめぐって、スタジオではさまざまな意見が交わされた。

夏野剛氏「日本企業の典型的な部分が出た」

「今の経営者は責任を負えていない」と指摘する夏野剛氏

経営者はすべての責任を背負う代わりに、人事権と統率権が与えられている。しかし、近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は、今の経営者は責任を負えていないと指摘した。夏野氏は「日本企業の社長は何年かで交代する。社員は内輪で社長には決定権がない」と説明。今回の国家的プロジェクトの失敗が、日本の典型的体質だったのではないかと持論を展開した。

国産ジェット旅客機開発に再チャレンジすべきか

井上和彦氏

一方、同番組に出演した軍事ジャーナリストの井上和彦氏は、「飛行機産業は知識集約型産業の頂点で、今後も飛行機をつくるべき」と意見を述べた。

15年間、基準を満たせず

獨協大学教授の森永卓郎氏は、今回のスペースジェット開発失敗について、アメリカが飛行機をつくらせなかった陰謀論を主張。日本の航空機技術は戦闘機の開発で引き継ぎ、アメリカの圧力が消えた段階でもう1回チャレンジすべきだと力説した。

2015年に初飛行したスペースジェット

自動車産業に次ぐ新たな基幹産業誕生に期待の航空機産業。今後も国産ジェット旅客機の開発を続けるべきなのか。

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