「誘拐の日」キム・シンロク“キャラクターの気持ちは理解できたが同意はできなかった”

写真=JUSTエンターテインメント

女優キム・シンロクが、ENA水木ドラマ「誘拐の日」(脚本:キム・ジェヨン、演出:パク・ユヨン)に出演した感想を明かした。

「誘拐の日」は、抜け目の多い誘拐犯キム・ミョンジュン(ユン・ゲサン)と11歳の天才少女チェ・ロヒ(ユナ)の特別な共助を描いた“感性バディスリラー”だ。

最近、ソウル鍾路(チョンノ)区のあるカフェでNewsenに会ったキム・シンロクは「台本を読みながら面白い、うまくいきそうだと思いました。一部の視聴率はあまり出なかったけれど、視聴率が上がってよかったです」とし「視聴率を細かくチェックするタイプです。放送翌日の朝9時から検索します」と話を始めた。

キム・シンロクが演じたソ・ヘウンはキム・ミョンジュンの元妻で、キム・ミョンジュンにチェ・ロヒの誘拐をそそのかす人物だ。ストーリー展開のキーを握っているミステリアスなキャラクターであるだけに、視聴者の間で関心を集めた。

彼女は「真実と嘘が混同する演技をしなければならないと思いました。この女性はたくさんの秘密を持っていて、後半に進めば進むほど秘密が一つずつ明かされます。明確に表れない部分もあるようです。それがこの作品のテーマとキャラクター、トーンに合うと感じました。目でする話と、口でする話が異なるといいなと考えました」と話した。

また「ヘウンの秘密が少しずつ分かり始め、第10話、11話、12話にいくとそれが吹き荒れるような感じになります。どのように見ていただけるでしょうか。私は今から緊張しています。視聴者の方々が推理しながら持っていた好奇心が第10~12話に溢れ出てくるでしょう」と明かした。

続いて「ヘウンを演じることは面白かったです。嘘を言っていることをバレてはいけないけれど、視聴者には嘘であることが少しだけバレてほしいという。本当のようで本当じゃない君、みたいな感じで」とし「視聴者に理解されるより、好奇心を刺激するのが大事だと思いました」とつけ加えた。

「誘拐の日」を演出したパク・ユヨン監督とは「模範家族」で一度一緒に仕事をしたことがある。パク監督は「誘拐の日」の制作発表会で「キム・シンロクさんからソ・ヘウンに対する質問を受けて、私も一生懸命に返した記憶がある。ヘウンじゃなければ分析できない、あまりにもヘウンらしい分析をしてくれて、その時悩んでいた部分がだいぶ解決した。これはシンロクさんだけが表現できるキャラクターだと思い、すぐにキャスティングした」と話した。

これに関連してキム・シンロクは「原作は特に刑事の視点で書かれていました。ドラマとして作られる過程でミョンジュン、ロヒの視点に移ったのです。刑事から見ると、ソ・ヘウンは理解できない人です。私は1人称で演技をしなければならないので、この人の欲望や理由に対して監督とたくさん話し合いました」と明かした。

視聴者の推理力については「(ソ・ヘウンに)ストックホルム症候群ではないかと書いた記事を読んだけれど、そうかもしれないと思い、面白いと思いました。この人はこの人が殺し、理由はこうだと推理している意見を見たけれど、頭が本当にいいと思いました。みんな昔、ロヒだったのではないでしょうか」と話した。

キム・シンロクは後半の鑑賞ポイントについて「突然事件が爆発的に拡張されながらも、同時に解決します。多分忙しく追ってもらうことになると思います。ヘウンという人物は、事件の中心でどのようなことが起きたのかを視聴者の方々に見せることになります」と説明した。

ソ・ヘウンというキャラクターはキム・シンロクにとっても簡単ではないチャレンジだった。彼女は「ヘウンという人物は私は理解できるけれど、同意できない人物を演技する経験になりました。それが私にとってはすごく難しかったです。人として深く共感し、みんなが共感しなくても、その人に同意してくれれば演技しやすいんです。ある人の感情や態度を俳優として理解はするものの、同意できない人物を演技する初めての経験でした。それが難しかったですし、私にとっては挑戦でした」と打ち明けた。

彼女は「どんな人物を演技してみたいのかと質問されると、自分が同意できる人物を演技すると話してきました。劇の構造の中で同意できない人物を演じる時、視聴者にこの人物を理解してほしいと訴えなえればならないのかそうではないのか、常に難しかったです」と話した。

続いて「例えばこの人物は誘拐をそそのかしますが、それはどんな言い訳を聞いても同意できません。里親に迎えてくれた親に捨てられ、脳の実験をさせられ、波乱万丈です。それがいつもこの人の悪行の言い訳になり、環境のせいで私がこうなったと話すだろうけれど、気持ちは理解できますが同意はできないんです」とつけ加えた。

写真=Justエンターテインメント

ソ・ヘウンは幼い娘を捨てて家を出た母親だ。キム・シンロクは「娘を愛していたけれど生きるために離れたとか、“仕方なく”などの表現は全部窮屈な言い訳だと思いました。ヘウンにそのような言い訳を与えたくありませんでした。娘が小さい時に捨てて、今になって戻ってきました。余地を与えないようにしました。論理的にどうしてそのような決定をしたのか理解はできるものの、心の中で深く共感できない人物です」と説明した。

キム・シンロクは「ヘウンがミョンジュンを愛し、娘も愛していたと思うかもしれません。しかし自己愛が深い人物なら、実は愛していなかったのかもしれないと思います。ヘウンに聞けば愛していたと答えるかもしれないけれど、俳優として綿密に見てみると、ヘウンが愛したのは自分自身だけだったと思います。無意識的な面で愛した人は自分自身しかいないと思いながら演じました」と話した。

続けて「視聴者の方々は、ミョンジュンとヘウンが本当に愛していたと受け入れるかもしれないと思います。愛って本当に解釈の領域だと思います。私はミョンジュンを本当に愛した人なら、子供の誘拐をさせるわけがないと思いました。ヘウンは愛していたと言うと思うけれど、愛する人に危険を冒させないだろうと思います」とつけ加えた。

ユン・ゲサン、キム・サンホは同じくJUSTエンターテインメント所属の俳優だ。キム・シンロクは「親近感がありました。2人とも演技に対する対話をたくさんしてくれます。初めての台本読み合わせが終わった後、食事会でキム・サンホ先輩がキャラクターに対する話をたくさんしてくれました。私が質問すると、ソ・ヘウンは木の後ろにいて腕や髪の毛の一部がチラッと見えるように演技すればいいだろうと話してくれました。すごく参考になりました」と話した。

ユン・ゲサンとの共演に対しては「とてもよかったです」と明かした。キム・シンロクは「私にはロールモデルがいません。でもユン・ゲサン先輩を見ると、俳優としてもそうですし、先輩としてもそうですし、とても素晴らしい人だと思います。尊敬の気持ちが大きいです。演技については一緒に真剣な対話をたくさんしました。現場で彼は先輩として、同僚として、足りない部分に集中するより、現場で本人にできることをすごく積極的に繰り広げる俳優です」とつけ加えた。

今回の作品に対する夫パク・ギョンチャンの反応はどうだったのだろうか。キム・シンロクは「私たち夫婦は一緒に見るんです。撮影のため一緒に見れない日もあるけれど、私が出演する全ての作品を俳優である夫と一緒にモニタリングします。『ヒヤヒヤするね』と言われました。ソ・ヘウンという人物の最後がどうなればいいか、またそれを視聴者が納得してくれるかヒヤヒヤすると言ってくれました」と明かした。

「誘拐の日」の設定のように、もし脳の実験によって特定の機能を向上させることができたら、どんな機能を発展させたいかという質問にキム・シンロクは「私はものすごい方向音痴なんです。方向感覚を改善したいですし、脳の機能を増幅させたいです。外でトイレに行くと、出口を見つけられず便器のあるところに戻ったりします。海外に滞在する時も劇場と宿所ばかり行き来します。路地に入るのが難しいんです。MBTI(性格診断テスト)はPです」と答えた。

キム・シンロクは「インターネットでの買い物も始めたばかりです。そのようなことは私にとってストレスになります。言葉の通じない子(コンピューター)と……IDやパスワードは全部覚えていません。それを探してほしいと言われたら、探しません。オフラインで買っちゃおうという。あまりにも難しいです。あるサイトはIDやパスワードに特殊文字を混ぜなさいと言うけれど、後でそう言われたのがどこなのか覚えていないんです。早く虹彩でログインする時代になってほしいです」と明かした。

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