覚悟のシーズン、笑顔満開/阪神・木浪

 プロ野球・阪神タイガースの38年ぶり日本一に大きく貢献し、初めてベストナインとゴールデングラブ賞を受賞した青森市出身の木浪聖也内野手(29)が、16日までに東奥日報のオンラインインタビューに応じた。躍進の1年を「覚悟を持って臨んだシーズンをいい形で終われて幸せ。駄目な時もしっかりやってきてよかった」と振り返り、満面の笑みを浮かべた。

 -プロ5年目の今季はレギュラーシーズン127試合に出場し、打率2割6分7厘、41打点、出塁率3割2分など多数の項目でキャリアハイを更新した。

 今季は覚悟を持って臨んだ。これまで充実したシーズンがあまりなかったので、年齢的にもラストチャンスと思いながらやっていた。岡田監督が自分をショートに戻してくれた時に「この年しかない」という気持ちになった。覚悟を決めた。

 -CS(クライマックスシリーズ)は第2戦でサヨナラ打を放つなど奮闘し、最優秀選手(MVP)に選出。ポストシーズンは打率4割2分8厘、遊撃でも無失策と攻守で活躍した。

 最高の1年になった。ポストシーズンは一発勝負、短期決戦でもあったので特に集中していた。レギュラーシーズン後の練習期間に守備は基本から、打撃もしっかり打ち込み、もう一度自分を追い込んだ。そういうことがしっかりできて、充実した結果が出た。

 -日本一の瞬間は。

 ずっと緊張していたので、その緊張が一気に取れた。一年を最後までしっかり戦えた、いい形で終われたというのをグラウンドで味わうことができて、本当に幸せだった。

 -「覚悟」の今季に向け、どのような準備を。

 オフに近藤健介選手(ソフトバンク)と自主トレを行い、打撃を改善した。下半身を使って打つ大切さを近藤さんから常々言われていて、試合で結果が残るようになった。守備を一番に考えているが、試合に出るためにはバッティングもすごく大事。

 -「恐怖の8番打者」として、好機での一打や要所でのつなぎが光った。

 今まですごく悔しい思いをしてきたが、その悔しさがあったから今がある。駄目な時もしっかりやってきてよかった。チャンスで打つのはもちろん、出塁やつなぐことを第一に考え、自分の役割をしっかりできた。もっと怖がられるバッターになりたい。

 -来季の抱負を。

 今年はすごくいい思いをしたが、来年も続けるという気持ちを常に持っておくことによって、リーグ優勝、日本一が達成できると思う。チームに貢献できたが、もっとエラーを減らせたと思うし、バッティングでも、むらが多かった。来年がすごく大事になるので、活躍するための準備をしっかりしていく。

 -青森県のファンへメッセージを。

 青森の皆さんの応援が自分の力に変わっている。来年も応援していただき、恩返しできるように頑張っていく。

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 <きなみ・せいや 1994年、青森市生まれ。篠田小在学時は同市の安田ヤンヤン少年野球チームに所属。青森山田リトルシニア、青森山田高、亜細亜大、ホンダを経て、2018年のドラフト会議で阪神タイガースから3位指名を受け入団した>

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