デンソーが決勝進出、富士通相手に高確率でシュートを決める[皇后杯準決勝 第2試合]

デンソーがENEOSが待つ決勝へ

皇后杯ファイナルラウンド、準決勝第2試合(12月17日/国立代々木競技場第二体育館)、は富士通レッドウェーブ対デンソー アイリスの対戦。富士通はシューターの林咲希、デンソーはインサイドで強さを発揮する馬瓜エブリンと、両チームともオフに東京2020の銀メダリストを補強し、頂点を狙うチーム同士。

試合が始まると、富士通が連続で得点を決める一方で、デンソーは赤穂ひまわり、篠原華実が3Pシュートを落とし、嫌なムードがよぎる。が、それならばとセンターの髙田真希、続いてパワーフォワードの馬瓜エブリンが3Pシュートを決め、さらに馬瓜はファウルも受けての4点プレーで、一気に流れを呼び寄せる。その後アウトサイド陣も続き、木村亜美、篠原、さらにベンチから出てきた高橋未来、本川紗奈生が3Pシュートを決めて1Qで24-10とリードを奪う。富士通は前日の準々決勝で、絶対的司令塔の町田瑠唯が負傷退場となって準決勝はコートに立てず。富士通オフェンスにとっては大きな痛手となった。

髙田真希と共にきっかけを作った馬瓜エブリン

「自信を持って打つことが必要。シュートチャンスは作れているので」とデンソーのヴラディミール・ヴクサノヴィッチHCは前日のトヨタ紡織との準々決勝のあと、シュート成功率が低調に終わり(3P:30%/2P:40.5%)、得点が伸び悩んだオフェンスについて語っていたが、準決勝では一変、次々にシュートがリングに吸い込まれていく。一時はその差を20点以上に広げ、試合の主導権を握った。
富士通は内尾聡菜、宮澤夕貴が連続して3Pシュートを沈めるなど流れをつかみかけるが、長続きせず。45-29とデンソーのリードで前半を終えた。

後半に入ってもデンソーのシュートは高確率で入り続ける。富士通が3Pシュートを入れれば、すぐに取り返し、反撃の芽を摘んでしまう。4Qには富士通が連係プレーから得点を重ねる場面も見られたが、試合を覆すには点差が離れすぎていた。一度つかんだゲームの流れを渡すことなく、デンソーが85-63で勝利。3年連続となるENEOSとの最終決戦の舞台に上った。この試合のデンソーのシュート成功率は3Pが54.2%(13/24)と高い数字で、2Pも46.3%(19/41)とまずまずだった。
「今日は自信を持って打てていました。ファイナルラウンドの初戦、準々決勝はやはり、選手たちも勝たなければいけないとか、緊張といったものがあったのでしょう。明日も、自信を持って打ってもらいたいですね。ENEOSさん相手に、シュートが確率よく入らなければ勝てません」とヴクサノヴィッチHC。
また、試合の序盤で4ポイントプレーを決めた馬瓜は「出だしで4-0となったときに、富士通のムードになってしまうと感じていたので、自分がシュートを打つことで、みんなが勇気を持って打ちやすい雰囲気を作れればと思っていたので、それが成功して本当に良かったです」とそのシーンを振り返る。優勝に向けて「一つ一つ目の前の試合に集中していくことが大事」と言い続けてきた馬瓜だが「一瞬一瞬の勝負というのが4Qのなかでたくさんあると思うので、その一つ一つを負けない、とにかく負けないというのが明日の私たちのカギになると思います」と気合いを入れる。また、長年にわたりデンソーを支えてきた大黒柱の髙田は「リーグ戦でもそうですが、この皇后杯でも自分たちのディフェンスがしっかりとできたことで、勝ち上がってこられました。ENEOSさんは今日もハイスコアのゲームでしたが、いかに自分たちのディフェンスを徹底してやっていけるかが勝利のカギになると思います」とデンソーの初優勝に向けての決意を語った。

ENEOS対デンソーの皇后杯決勝戦は3年連続8回目。過去7回はすべてENEOSが優勝している。果たしてデンソー悲願の初優勝なるか。それともENEOSの11連覇となるか。決勝は明日15時ティップオフになる。

●皇后杯決勝
12月17日(日) 15:00~ @国立代々木競技場第二体育館
※NHK Eテレにて生中継、バスケットLIVEにてライブ配信

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