線引き重ね生命描く 洋画家・山中さん 茨城・水戸で作品展

馬の姿を生き生きと捉えた「HOPE」と山中庸子さん=水戸市備前町

宇宙や動物などをカラフルで幻想的な世界観で描く茨城県結城市出身の洋画家、山中庸子さん(44)の作品展が、同県水戸市備前町の常陽史料館で開かれている。初期作品から新作まで絵画33点が展示され、約20年間の画業を知ることができる。アクリル絵の具を使い、細部まで丁寧に書き込んだ大作が並ぶ。同展は来年1月14日まで。

山中さんは、何十本もの細い線を丹念に引き重ねた渦巻きや円のモチーフを通して、エネルギーや生命の在り方を描いている。冬の夜空を駆ける馬の姿を生き生きと捉えた「HOPE」や、太陽に向かって飛ぶ2羽の鳥を印象的に描いた「ずっと」など、動物を描いた作品が目立つ。全ての生き物の調和し合う世界が、かわいらしい動物たちの姿で表現されている。

2002年に東京農大を卒業後、絵の道へ進んだ。「絵が描きたくてしょうがなかった。やりたいことが絵だった」と、本格的な創作活動の始まりを振り返る。今回の作品展について、山中さんは「きれい、かわいいといった素直な感覚で楽しめると思う。気楽に見てほしい」と話している。

午前10時から午後5時45分まで。休館日は毎週月曜、29日~来年1月4日。

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