モンゴルの訪問団が九重町視察、交流楽しむ 覚書締結から3カ月で実現【大分県】

九重“夢”大吊橋で記念撮影するモンゴルからの訪問団。左端がドルジスレン・ガルフー郡長、左から2人目がツェレンナドミド知事=九重町
今後の交流について意見交換する(左から)ドルジスレン・ガルフー郡長、ツェレンナドミド知事、清水武則さん

 【九重】モンゴル・アルハンガイ県の知事らが14日、九重町を訪れ、観光施設や地熱発電施設などを視察した。日本とモンゴルの外交関係樹立50周年に合わせ、同県ツェンヘル郡と町は9月、両地域に共通する温泉を軸とする交流促進の覚書を締結。訪問団の来日が早々に実現した。

 訪問団はツェレンナドミド知事(39)、ドルジスレン・ガルフー郡長(43)、観光関係者ら5人。町側は時松賢一郎副町長らが出迎えた。

 町役場を出発して八鹿酒造(右田)、九重“夢”大吊橋(田野)、長者原ビジターセンター(同)、九州電力八丁原地熱発電所(湯坪)などを巡り、農家レストランべべんこで食事を楽しんだ。

 モンゴルで覚書を交わしてから3カ月での訪問。ガルフー郡長は「交流を進めたい、早く行ってみたいと思っていた。素晴らしい環境で気持ちが良く、山間部まで道路が整備されていることに驚いた」と話した。

 ツェレンナドミド知事は「若い世代の往来を増やしたい。まずはモンゴルから学生を派遣し、日本、九重の良いところを学んできてもらいたい」と後押しする考えを示した。

 日野康志町長は「小さな自治体同士でも大きな交流ができると示したい。次世代の人材育成につなげ、町外にも波及効果が広がるようにしていく」と期待を寄せる。

 町出身で、交流の架け橋となった元駐モンゴル大使の清水武則さん(71)=千葉県松戸市、大分合同新聞文化賞受賞者=も視察に同行。「モンゴル側の交流活性化に対する強い思いを感じた。古里との交流がさらに発展してほしい」と願った。

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