長崎向陽高普通科新設 勉強だけでなく心にも着目

2024年度普通科を新設する向陽高=大村市西三城町

 長崎県大村市西三城町の向陽高(林下功校長、698人)は2024年度、普通科ポジティブ・キャリアデザイン(PCD)コースを新設する。自分の強みを理解し健康で幸せな生活を送る知識を研究するポジティブ心理学を取り入れ、生徒がより良く生きられることを目指す。
 ポジティブ心理学とは、幸福や満足度、ストレスに対する回復力などに注目し、より健康的で幸せな生活を送るための手法を科学的に研究する学問分野。海外では教育に広く取り入れられているが、国内の高校で学校設定科目に組み込むのは初めてという。
 高山真砂美副校長によると、ITの発達や国際情勢の不安定化など予測不能な時代の中、勉強だけでなく心にも着目した普通科を設置することになった。
 教育課程では「ライフクリエイト学」科目を設定。自分の人生デザインや、心と体のつながりなどについて学習する。また、国語では新聞などを活用し、英語は話す力を重視するなど、5教科でも実践的な学びに注力する。
 毎日7校時目は「アクティブタイム」を設定。美容科やパティシエ科など同校に所属する専門教員や外部講師の授業を受けるなど、さまざまな体験活動を予定する。専門各科の学びに触れることで自分のライフプランを見つめられるほか、普通科の教員が他科の教壇にも立つことでポジティブ心理学を全校的に浸透させるなど、学校全体での好影響が見込めるという。
 同校は来年創立100周年を迎える。高山副校長は「人のために生きることがより良い人生につながるという建学の精神『奉仕』に立ち返り、歴史をつないでいきたい」と話した。募集人員は男女共学40人。18日から出願を受け付け、来年1月に試験を予定する。

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