壱岐・原の辻ガイダンス企画展 「黒崎砲台」解体前写真も

島の古い写真などが並んだ企画展=壱岐市芦辺町、原の辻ガイダンス

 長崎県壱岐市芦辺町の展示施設原の辻ガイダンスで「島のお宝発見!展」が開かれている。島内で受け継がれてきた史料や、東洋一とされた巨大砲台「黒崎砲台」の解体前の風景などの古写真にスポットを当てている。
 同施設指定管理者の一支国研究会(伊佐藤由紀子理事長)主催。市教委所有の旧壱岐郷土館(閉館)の史料の一部を展示している。
 写真は昭和の中期頃を中心とした16枚。戦艦土佐もしくは赤城の主砲が使われたという黒崎砲台の口径は約41センチ、砲身約18メートルで、対馬海峡を通過する敵艦船への砲撃のため設置された。写真は1950年ごろと見られる。解体前の作業員も写っており、砲台の全体像が分かる貴重な1枚。勝本町や郷ノ浦町の古い町並みなどの写真も展示されている。
 天手長男神社に平戸藩第8代藩主、松平誠信が奉納した三十六歌仙絵馬のうち有名歌人9枚も並ぶ。絵馬には歌が誠信の直筆で記され、絵は狩野派の絵師の片山尚景が描いたとされる。
 市教委の松見裕二係長は「昔を知るお年寄りと若い人が一緒に訪れ、当時の暮らしを若い世代に伝える場になることを期待」と話した。企画展は来年1月30日まで。

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