20種の穀物、一粒一粒貼り付け色鮮やかな紫式部に 青森・鶴田町で「弥生画」制作急ピッチ

紫式部を題材にした弥生画を制作する山道町内会の住民=16日午前、鶴田町

 青森県鶴田町で、穀物の種を使い絵を描いて五穀豊穣(ほうじょう)を願う「弥生画」の制作が急ピッチで進んでいる。制作団体の一つ、山道町内会(一戸雅人町会長)では16日、年末の神社への奉納に向け、住民らが小豆やエゴマなどを一粒一粒貼り付ける作業に精を出した。

 弥生画は江戸時代から続く同町の伝統行事。飢饉(ききん)に見舞われた住民が種を持ち寄り、板に餅で貼り付けて雨乞いをしたのが起源とされる。同町内会では11月中旬に制作を開始。住民らが山道文化センターに集まり、毎日5時間ほど作業に当たっている。

 題材は来年のNHK大河ドラマの主人公・紫式部。縦1.9メートル、横3.2メートルの板に約20種類の色とりどりの穀物を貼り、紫式部のみやびな姿を徐々に浮かび上がらせている。16日は4人が集まり、十二単(じゅうにひとえ)に枝豆、机部分にヒマワリの種を貼り付ける作業を行った。

 リーダー役の澁谷信一さん(72)は「豊作や家族の健康を願って作っている。これを仕上げないうちは正月を迎えられない」と語った。完成した弥生画は30日、近くの闇靇(くらおかみ)神社に奉納する。

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