「こっちの魚はいくらになる?」「急がないとなくなるよ」-。青森市の中央卸売市場で16日早朝、「水産の朝市!」が開かれた。多くの市民らが市場を行き交い、仲卸業者の店頭で品定めに大忙し。通路をすれ違うのが難しいほどのにぎわいぶりだった。
市場は普段一般客は入場できないが、同市場の水産物仲卸協同組合と運営協力会が、水産物の消費拡大などを目的に定期的に開放イベントを行っている。今年は計8回開かれた。
このうち、年末年始に向けた12月の催しは例年一番のにぎわいで、今年は約2千人が来場。人気の中心はお手頃価格のマグロや、筋子・たらこなどの塩干し加工品で、今年は冷凍カニも次々と売れていた。
近年の物価高騰を受け、水産物全般も価格上昇が続いている。同市場管理課によると、市場内卸売価格の平均単価は2018年の746円から昨年は1123円に上がり、今年も11月末時点で同水準になった。
それでも売れ行きは上々で、帰省する家族用の買い物で訪れた青森市の工藤悦子さん(72)は「鮮度がよく安いので必ず来ている。(年末年始の帰省は)年に1度なので、ついつい買い込んでしまうね」と笑顔で話した。