2026年からのシーズン移行は規定路線?/六川亨の日本サッカー見聞録

[写真:©︎J.LEAGUE]

来週月曜の18日、国立競技場でシャフタール・ドネツク対福岡のチャリティーマッチが19時から開催される。これはウクライナの復興支援を目的としたチャリティーマッチで、ウクライナの優勝チームであるシャフタール・ドネツクの来日は初めてではないだろうか。

クラブはチーム名が示す通りドネツクを本拠地としているが、ロシアのウクライナ侵攻により現在はポーランドのワルシャワを臨時の拠点として活動している。試合当日は日本へ避難しているウクライナの避難民の方々も招待するそうだ。

せっかくのチャリティーマッチだが、国立競技場で開催されることを知らなかった。てっきり福岡のホームスタジアムであるベスト電器で開催されると思っていた。勘違いに気付いたのは、広告代理店の知人からこの試合を紹介して欲しいと頼まれたからだった。

こうしたチャリティーマッチも普段はJリーグから大会の告知と取材申請の案内や締め切り日の連絡が来るが、今回は主催会社が取材の窓口となったためフリーランスまで手が回らなかったのかもしれない。残念ながら大会の存在を知ったときには取材申請の締め切り日が過ぎていた。

しかし当日はJリーグの国際版YouTubeチャンネルや、AbemaTVとスカパー! が無料でLIVE放送・配信するそうなので、こちらで試合を楽しみたいと思う。

そして翌日の19日にはJリーグの理事会が控えている。すでに新聞やネットで報道・配信されているように、当日の理事会でシーズン移行の是非について結論が出る予定だ。

J1~J3全60クラブのうち「26-27シーズンからシーズン移行実施を決め、残された課題を継続検討する」に賛同したクラブが52、「現段階ではシーズン移行を決めない。数ヶ月の検討期間を目安に継続検討する」が7票、そして「シーズン移行を実施しない。継続検討を行わない」に新潟が1票を投じた。

この数字を見る限り、26年からのシーズン移行は決定事項と言っていいだろう。移行期の2月から5月までは0・5シーズンとする案も承認されている。それでも新潟の中野幸夫社長の「(シーズン移行を)したい、したくないではなく、できない。スタジアムや練習会場の設備がよくなっても、雪が降ると家から出られない。練習会場やスタジアムに行けない我々がいる」というコメントは切実な現状を言い表している。

2017年当時、村井満・前チェアマンが今後10年はシーズン移行の議論を凍結するとしたのも、降雪地域の問題に加えてウインターブレイクが入ることで、過密日程による選手への悪影響が懸念された。来シーズンからルヴァンカップは大会方式が変更されるものの、天皇杯やACLを勝ち上がったクラブは過密日程を強いられることだろう。降雪地域のクラブへの具体的な支援策もこれからの課題である。

多くのクラブの賛同を得られるなら「見切り発車」でもいいからシーズン移行の方向性を決め、そのための解決策を1シーズンかけて検討するという意見も否定するつもりはない。そのために「残された課題を継続検討する」のだろう。そこでは活発な意見交換を期待したいし、もしもシーズン移行にあたって新たな課題が出てくるようであれば、シーズン移行を26年以降に先送りしてもいいと思っている。


【文・六川亨】

© 株式会社シーソーゲーム