自民党安倍派（清和政策研究会）を中心とした政治資金パーティーを巡る裏金疑惑を背景に、無派閥の小泉進次郎元環境相（衆院11区）や石破茂元幹事長への世論の支持が高まっている。共同、時事の両通信社などの調査で1位を争う。岸田文雄首相は党内に新組織を設けて解決に当たる方針だが「人気を頼みに小泉氏らに指揮を委ねる可能性もあるのでは」（党幹部）とされる。政権内では「無派閥頼みの無責任」（閣僚経験者）と首相の姿勢への批判がやまない。
共同が16、17日に実施した世論調査では「次の総裁にふさわしい人」は石破氏（25.7％）がトップで、小泉氏（15.9％）、河野太郎デジタル相（13.2％、15区）が続いた。前月は3位だった小泉氏が河野氏を抜いた。これに先立つ時事の調査では小泉氏（16.0％）がトップに立ち、石破氏（15.0％）が続いた。前月トップだった河野氏（8.8％）は3位に後退した。
同時期の産経新聞の調査も同傾向で石破氏18.2％、小泉氏16.0％、河野氏11.9％の順。石破氏が3カ月連続の首位で小泉氏が河野氏を抜き2位となった。いずれの調査も小泉、石破氏が1位を競る格好だ。
3人は2021年の総裁選で、出馬した河野氏を小泉、石破両氏が応援した間柄。岸田首相とは距離を置き「小石河連合」とも呼ばれるが、河野氏は麻生太郎副総裁の派閥に所属。派閥を巡る問題を背景に無派閥の小泉、石破両氏に期待が集まっているようだ。
ちなみに岸田首相への支持は共同が5.2％で6位、時事が1.6％、産経が2.5％でともに7位と低迷している。岸田首相は新組織を巡り「無派閥議員からも衆知を集めよ」と指示しているとされ、「派閥や自身の不人気を自覚して丸投げ先を探している」（政府関係者）との臆測を呼んでいる。
