ムムム… 思わずうなる“極上の打感” これは打ちたくなる「APEX CBアイアン」

フェースとボディが1ピース軟鉄鍛造の「APEX CB アイアン」を試打調査(撮影/有原裕晶)

2014年に初登場して以来、キャロウェイのトッププロを勝利に導いてきたツアーモデル「APEX」シリーズアイアン。9月には、「APEX PRO」「APEX CB」「APEX MB」の3機種が新作として登場した。今回は、キャビティタイプの「APEX CB アイアン」の特徴をクラブの知識が豊富なクラフトマン・ミタさんが解説。さらにアスリートゴルファーのヨシダくん(HS50m/s)、ベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打して、本音で評価する。

クラブの特徴は?

【ミタさん】
今回紹介するのは、ツアープロからの評価が高い「APEX CB アイアン」です。PGAツアーでは、キム・シウー(韓国)がシーズン中に4番からPWまでを20年モデルの「X FORGED CB」から「APEX CB」にチェンジしました。モデル名の「CB」はキャビティバックの略です

【シオさん】
3機種ある中で、なぜ「CB」の評価が高いのでしょうか?

【ミタさん】
このモデルは21年モデル「APEX TCB」の後継モデル。PGAツアーではジョン・ラーム(スペイン)やザンダー・シャウフェレ、国内ツアーでは石川遼や申ジエ(韓国)が使った名器であり、その性能を引き継いでいることで高く評価されているようです。

新たに内蔵されたトウ側のタングステンウエート(赤い部分)。番手毎に埋め込み方を変え、弾道の高さやスピン量を最適化している

【ヨシダくん】
キャビティ構造ということは2ピース構造ですか?

【ミタさん】
そう見えるかもしれませんが、実はフェースとボディが一体化された1ピースの軟鉄鍛造アイアンです。ツアープロの要望に応えるためにやわらかい打感に仕上げつつ、ある程度の寛容性を持ち合わせているのが特徴です。

【シオさん】
ヘッド自体がとてもコンパクトなので、一見難しそうに見えるのですが…本当にやさしいんですか?

前作と比べて、より洗練されたシャープな印象を与えるデザインに進化した

【ミタさん】
バックフェースの下部には黒いタングステンプレートが配置されています。またヘッド内部のトウ側には、番手別に最適な重量のタングステンウエートが内蔵されているため、意外と打球は上がりやすいですよ。

【ヨシダくん】
打つ前から評価してしまいますが、見た目の「かっこよさ」は満点です。これは欲しくなりますね。キャディバッグに入っていたら、周囲からも一目置かれそう。

【シオさん】
私も「かっこよさ」は5点満点です! 写真で見るよりも実物はシャープな形状で気に入りました。

【ミタさん】
見た目は完璧ということで、とりあえず打ってみましょうか!

試打した印象は?

構えてみると、小ぶりでシャープな印象。トップラインが薄めでアスリートが好む形状に仕上げられている

【シオさん】
構えた印象としては、前回試打した「PRO」よりも小さくてコンパクトです。トップラインも薄めで、一般的なキャビティアイアンと比べてヘッドはかなり小さめだと思います。

【ヨシダくん】
プロゴルファーが好きそうな顔つきですね。ターゲットに対してスクエアに構えやすいし、すわりがいい。ネックからソールにかけて微妙にフトコロがあることで、ボールをつかまえるイメージを出しやすいです。

【ミタさん】
ほとんどグースは入っていないのですが、フトコロの部分は同社のツアーモデルに代々採用されている伝統的な形状ですよね。打った印象はどうでしたか?

マッスルバックユーザーのヨシダくんは「キャビティでこの打感の良さはすごい!」とフェースを見つめていた

【シオさん】
打感が最高です。「PRO」よりもボールが食いつく感じがあって、フェースに乗ってくれる。これは気持ちいいですね~

【ヨシダくん】
一枚モノのマッスルバックに負けていない打感です。心地よさがあるのはもちろん、手に伝わる感覚と実際の飛距離が一致している。それがプロゴルファーや上級者から評価される理由だと思います。

【ミタさん】
飛距離や弾道はどうでしたか?

シオさんとヨシダくんの「APEX CB アイアン」(7番34度)試打データ

【ヨシダくん】
タテ距離のバラツキが少なく、安定感抜群です。7番でロフトが34度あるので、僕が打ってもキャリーで160yd前後。飛び過ぎる心配がないので、安心して振っていけます。スピン量が6000~6500回転で安定していたのも気に入りました。

【シオさん】
私はもっと飛ばないのかと思っていたのですが、キャリーでしっかり140yd飛んでくれました。私のヘッドスピード(ドライバーで40m/s)で落下角度が45度を超えてくれたので、弾道もパーフェクトです。

【ミタさん】
落下角度が45度あれば、冬の速いグリーンでも狙ったところに止まってくれると思います。

ソール形状はリーディングエッジとトレーリングエッジを面取りし、抜けを良くする工夫がされている

【ヨシダくん】
あと、ソールの抜け感も良かったですね。よく見るとソールはリーディングエッジとトレーリングエッジが面取りされており、これが意外と効いています。地面に当たったときにはソールが引っかからず、フォローにかけては抜けやすかった印象です。

【ミタさん】
細部へのこだわりはツアープロからのフィードバックによるものだと思います。

【シオさん】
ツアーモデルのアイアンなのでちゃんと打てるのか心配していましたが、キャビティタイプのやさしさが感じられて、アマチュアが使えないほどハードなアイアンではなかった。とても好印象です。

まとめ

2人そろって“構えやすさ”と“かっこよさ”は5点満点。打感の良さはもちろん、寛容性と安定性が高評価につながった

【ミタさん】
2人とも「かっこよさ」「構えやすさ」で満点の評価をつけており、全項目で評価が高かった「APEX CB アイアン」。7番でロフトが34度あるので、ヨシダくんのようなパワーヒッターが打っても飛びすぎることなくスピンが効いた球が打てます。一方、ヘッドスピード40m/sのシオさんが打っても、ロフトがあるので打球が上がりやすく、飛距離もきちんと出ていました。ツアーモデルではありますが、アマチュアの中級者以上であれば十分に使いこなせるアイアンです。

【ヨシダくん】
常に辛口で評価していますが、今回は6項目中3項目で満点をつけました。個人的には今秋に発売されたアイアンで1、2位を争うくらい良かったです。

■試打したクラブのスペック
キャロウェイ APEX CB アイアン
●番手(ロフト角):7番(34度) ●シャフト:ダイナミックゴールド MID115 ●硬さ:S200

キャロウェイ APEX CB アイアン

■ マイクラブ情報
シオさん:タイトリスト T300 アイアン(2021年)
●番手(ロフト角):7番(29度) ●シャフト:NSプロ モーダス3 ツアー 105 ●硬さ:S

ヨシダくん:ピン ブループリント アイアン
●番手(ロフト角):7番(34度) ●シャフト:KBS $テーパー 125 ●硬さ:S+

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