市民「第九」街に響く 茨城・水戸で4年ぶり

4年ぶりに伸びやかな歌声を響かせた合唱団=水戸市五軒町

ベートーベンの交響曲「第九番」を市民参加の合唱団が歌い上げる「水戸の街に響け! 300人の《第九》2023」が17日、茨城県水戸市五軒町の水戸芸術館広場で開かれた。コロナ禍を越え4年ぶり20回目の開催に、参加者らは伸びやかな歌声を響かせた。

合唱は1999年に始まり、2003年以降は毎年開催。年末の風物詩として親しまれてきたが、新型コロナウイルスの影響で20年以降は中止となっていた。第1回から参加している同市、角田準作さん(91)は「やっと歌えて感謝感激。これからも歌い続けたい」と喜びをあらわにした。

合唱には10歳から91歳までの287人が参加し、10月から練習を重ねてきた。青空の下、オーケストラパートを担うエレクトーンやピアノのほか、4人の声楽家と共に第九の第4楽章「よろこびの歌」を披露。参加者らは「全ての人々はきょうだいとなる」という歌詞を通し、平和への祈りを込めた。

合唱は2回行われ、計2800人が来場。訪れた来場者らは、目を閉じて聞き入ったり、カメラを向けたりと思い思いに楽しんでいた。各回の最後は、来場者も参加した大合唱で締めくくった。家族で訪れた同県かすみがうら市立千代田義務教育学校5年、大山悠さん(11)は「みんな力強く、生の迫力があった」と聞き入っていた。

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