前澤友作「三半規管を鍛えるために⾊々な⽅向にぐるぐる、ぐるぐる回りました」

映画『僕が宇宙に⾏った理由』完成披露上映会が15⽇、TOHOシネマズなんばにて⾏われ、実業家の前澤友作⽒と監督の平野陽三が出席した。本作は、前澤⽒が過酷な検査やトレーニングを経て宇宙に⾶び⽴つまでの道のりや、国際宇宙ステーション(ISS)での12⽇間の滞在、そして地球へ帰還した後までを密着したドキュメンタリー映画で、前澤⽒とともに宇宙へ⾏った平野⽒が監督を務めた。

ISS渡航で実際に着⽤したブルーのフライトスーツ姿の前澤友作⽒と、宇宙旅⾏に同⾏した平野洋三監督が登場。前澤氏のフライトスーツの思い出をきかれると「訓練でだいぶ汗をかいたりしましたけど、洗うのがもったいなくて、まだ1度も洗っておりません」と回答。また、「僕の古巣のZOZOTOWNのパッチがついていたり、ZOZO時代にお世話になったブランドさんのパッチが⼊っていたり、思い出がいくつも詰まっている感じです」と明かした。さらに、⽇本の⺠間⼈初の宇宙旅⾏挑戦を振り返り、訓練段階での印象的なエピソードについて「映画の中でも結構な時間を使って描かれているのですが、訓練は想像以上に⼤変でした。三半規管を鍛えるために⾊々な⽅向にぐるぐる、ぐるぐる回りました」と回答した。その理由を「宇宙に⾏って無重⼒状態になると、どこが上だか下だか、右だか左だか、⾃分のもう⾎もどこを巡ってるのかわかんなくなって、とにかく酔うんです。船酔いとも違うし、乗り物酔いとも違うし、なんとも⾔えない酔い⽅をするんですけど、その独特な酔い⽅を地上で再現するためだったんです」と語った。

平野監督は、前澤⽒から「君の次の出張先は宇宙だよ」と急に命じられたそうで「トレーニングをサポートさせていただく役割と思っていたので、まさか⾃分が宇宙に⾏くことになるなんて思ってもいなかったです。⾃分ごとのじゃないような感じで、あまり実感のないまま過ごしていました」と当時を振り返った。

映像がドキュメンタリー映画として公開されるに⾄った経緯について話が及ぶと平野監督は「編集の素材を漁っている時に、1本の作品を作りたいなと思いまして、“1個(映画を)作っていいですか”と(前澤⽒に)LINEしました」と意外なやりとりを告⽩。また平野監督は、幼少の頃から“映画を作りたい”という夢をもっていたということで、「前澤さんは、宇宙に⾏きたいっていう⼩さい頃からの夢を叶えて、僕もちゃっかり⼀緒に夢を叶えさせていただきました。“夢”というのも1つこの映画の⼤切なテーマとして、⾃分が⾝を持って体験したからこそ、皆さんに伝えたいと思い作らせていただきました」と制作にかけた思いを話した。

続いて、前澤⽒に映画を⾒た感想を尋ねると「何回か⾒たんですけど、⾒るたびに違った感情が湧いてくるって感じですね。1回⽬はなんか恥ずかしいって感じで、“こんな⼤スクリーンに⾃分が映ることになるとは”というところから始まり、徐々に感情移⼊もできるようになりました。特に、⾃分の両親が映像に出てきたりするところは、⼦供の頃を思い出したりして、感慨深くなりました」と作品への想いを語った。

また、ロケットの打ち上げシーンも同じく印象に残っているという前澤⽒は、「いくつかの打ち上げを⾒てきましたが、それぞれ個性があって、それぞれ、違う⾳、違う光があるので、ぜひ、皆さんも機会があれば⾒ていただけると⾯⽩いと思います」とコメント。これを受けた平野監督が「この作品でもソユーズの打ち上げの⾳の再現に特にこだわりました。ここ(TOHO シネマズなんば)みたいな轟⾳シアターだと劇場が揺れると思います」と話すと「(⾳の)威⼒でポップコーンこぼれるよね」と前澤氏がジョークを交えて話し観客の笑いを誘った。

最後に「上映はこれからですけれど、本当にすごい迫⼒ですので、⾳も映像もこだわって作らせていただきましたので、ぜひお楽しみいただければと思います」と平野監督がコメントし回を締めくくった。

映画『僕が宇宙に⾏った理由』は12⽉29⽇よりTOHOシネマズ⽇⽐⾕ほかにて全国公開。

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