福島原発の廃炉にメタバース活用 日立が開発、効率化へ提案

発電所などの現場をメタバースに再現し、工事を迅速に進める新技術を説明する日立製作所の担当者=18日、東京都国分寺市

 日立製作所は18日、発電所などの現場をインターネット上の仮想空間「メタバース」に再現し、工事を迅速に進める技術を開発したと発表した。東日本大震災で大規模事故を起こした東京電力福島第1原発の廃炉作業の効率化に生かせるとして、国や東電に提案する。

 新技術は「現場拡張メタバース」と名付けた。廃炉作業の現場は放射線量が高く、ロボットでも長時間の作業ができない場所がある。メタバース上に空間を再現すれば、ロボットの動かし方を訓練するなどして、効率的に作業できるという。

 日立などは7月から8月にかけて、原発の実寸大の模型を、茨城県日立市から千葉県柏市に移設する作業で新技術を活用した。

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