「コロナ禍」がキックバックの要因に?「ノルマが下がった」自民党の“裏金疑惑”仕組みは当選回数で…新たな事実が明らかに=静岡

自民党・安倍派の政治資金パーティーをめぐり新たな事実が明らかになってきました。裏金の原資になったとみられるいわゆる「キックバック」を生み出した一因がコロナ禍だったことがわかりました。

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<自民党・安倍派 宮沢博行衆議院議員>
「さまざま納得できないことなどもあったし、いろいろタイミングとかもありましたけれども、とにかく説明したい、説明したいその思いが一番大きかった」

12月18日朝、地元・静岡県磐田市で思いの丈を述べたのは、自民党の裏金疑惑をめぐり渦中の人となっている宮沢博行衆議院議員です。

<自民党・安倍派 宮沢博行衆議院議員>
「派閥の方から、かつて収支報告書に記載しなくてよいと指示があった。大丈夫かなとは思ったけれど、これで長年やってきているんだから適法なのかなと」

安倍派は、どうやって裏金を生み出していたのか。その具体的な流れが明らかになってきました。

関係者によりますと、安倍派の場合、パーティー券の販売ノルマは初当選の議員が1人あたり30枚。以後、当選回数が1期増えるごとに30枚ずつプラスされていきます。閣僚を経験している議員は200枚、重要ポストにつくと250枚、派閥のトップになると375枚と言われています。

<自民党・安倍派 宮沢博行衆議院議員>
「いわゆるキックバック、プールについて、私のところにはございました」

宮沢議員の販売ノルマは、2019年は60枚でしたが、2020年から2022年のコロナ禍はノルマが下がり30枚に。宮沢議員はSBSの取材に対し「コロナ禍もパーティー券がそれ以前と同じように売れた。結果的にそれがキックバックになった」と話しました。

<記者>
「塩谷さん、すみません。塩谷さん」

安倍派のトップ・塩野立座長は、この問題について、いまだに明確な説明をしていません。

自民党・安倍派の政治資金パーティーをめぐる問題では、東京地検特捜部がすでに議員本人や秘書らに事情聴取を行っています。窮地に追い込まれた形の自民党。政治不信の払しょくに躍起になっています。

<自民党静岡県連 城内実会長(森山派)>
「政治不信が高まっていることについては、本当に自分のこととしてしっかり受け止め、申し訳ない思いでいっぱいであります」

自民党の県連会長を務める城内実衆議院議員は「派閥のパーティー券を販売したことがない」と説明し、自らの潔白を主張した上で信用を失っている現状については謝罪しました。

一方で、野党は攻勢を強めています。

<国民民主党静岡県連 田中健会長>
「何百万、何千万という裏金を作っていたとするならば、国民への裏切り行為」

<立憲民主党静岡県連 源馬謙太郎代表>
「仮に何人か起訴処分になれば4月後半にはその分の補欠選挙が、もし十何人という議員の補欠選挙が政治と金の問題で4月に行われることになれば、解散を打たずにはいられない」

東京地検特捜部は、近く強制捜査に乗り出すものと見られていて、議員自身の関与などが焦点になってきそうです。

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