「熱意、意志の強さ、天性の才能はどれひとつ変わっていない」レッドブルF1代表、自分自身を貫くフェルスタッペンを語る

 マックス・フェルスタッペンはF1で圧倒的な成功を収めているが、常に本物であり続け謙虚さを貫いていることから、レッドブルF1のチーム代表クリスチャン・ホーナーの称賛の的となっている。

 フェルスタッペンのスターダムへの道のりは決して平凡ではなかった。レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンの息子が並外れたポテンシャルを持っていることに早くから目をつけ、10代だった彼が将来F1チャンピオンになるだろうと認識していた。2015年にスクーデリア・トロロッソから17歳5カ月という記録的な若さでF1デビューを果たしたフェルスタッペンは、そのわずか1年後にはレッドブル・レーシングでの最初のレースでグランプリ初優勝を飾った。

2016年F1第5戦スペインGP キャリア初優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 54勝を挙げ3度の世界チャンピオンとなったフェルスタッペンについて、ホーナーは彼の並外れた才能と揺るぎない献身を強調する一方で、富や名声にも平然として本物の自分を維持していることを称賛している。またホーナーは、26歳のフェルスタッペンが固定概念にとらわれずに進んで意見を表明するところが、彼の真の姿を証明していると評価している。

「素晴らしいことに、彼は18歳で我々に加わった時から本当に変わっていない」と最近ホーナーは『Sky F1』に語った。

「もちろん彼は成熟したし、今では若い青年になったが、あの熱意、意志の強さ、根性、驚異的なマシンコントロール、そして天性の才能は、どれひとつ変わっていない。富も名声も彼の頭のなかには入っていない。彼は今も同じ人物だ」

「彼は今でもガレージで大変人気がある。彼は自分自身を貫き、自分自身の考えを語るだろう。彼は自分が思うことを話すし、ステレオタイプにはまろうとはしない。彼はそういう人間だ。そのことを大いに尊重しないといけないと思う。彼は今では経験の恩恵を受けているし、経験を非常にうまく利用している」

2023年F1第18戦カタールGPスプリント マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が3度目のタイトルを獲得

 2024年については、レッドブルがライバルより技術的進歩を遂げていることから、すべての兆候はフェルスタッペンが引き続き、だがF1のためにも願わくばより激しい競争のなかで、勝利をもぎとっていくことを示している。それでもホーナーは、フェルスタッペンが長きにわたる成功を収めているにもかかわらず、F1に長居をすることはないだろうと確信している。フェルスタッペンは、ベテランであるフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)やルイス・ハミルトン(メルセデス)ほど長く続ける可能性は非常に低いという。

「彼には競争心がある。カレンダーは過酷で、彼は26歳だ。42歳のドライバーを見るとすると、彼はそれほど長くドライビングする自分を想像できないだろう。彼がそうするとは思わない。マックスは自分の心を分かっているし、本来の自分でいると思う」

「彼には彼自身の性格の強さがある。彼にモチベーションとコミットメントがある間は、F1で続けていくと思う。彼がそのモチベーションを失ったら、それほど長くはいないだろうと思う。彼は42歳になってもレースをしているだろうか? それは非常に疑問だ」

2023年F1第14戦オランダGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

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