鈴木淳司前総務大臣「“キックバック”は文化」発言で波紋 自民党パーティー券裏金問題 まだ雲隠れか?池田佳隆議員はどこに?

政治とカネの問題。「キックバックは文化」だという認識があったという意味の発言をした鈴木前総務大臣。もはや国会議員だけの問題ではなく、地方議員も調べるべきではという声も。

(木下大記者 衆議院第二議員会館 東京・千代田区 18日正午頃)
「池田佳隆議員の東京事務所がある衆議院第二議員会館です。会館の前は、特にものものしい様子はありません」

今月14日は多くの報道陣がつめかけた現場。すでに東京地検特捜部が疑いのある議員本人と、秘書らに聴取を行っているとみられ、報道陣の多くは18日、その情報収集対応に当たる一日となりました。

安倍派で愛知三区が地盤の衆議院・比例東海ブロック選出の池田佳隆議員は、どこにいるのか?

政治資金パーティー券の収入の一部について、去年までの5年間で、派閥から4000万円を超えるキックバックを受け裏金にしていた疑惑が浮上しています。

池田議員の事務所は、去年までの3年間で、派閥から受け取ったおよそ3200万円を記載していなかったとして、12月8日付けで政治資金収支報告書を訂正していますが、疑惑発覚後、本人と地元愛知の公職者や、党の関係者らとも連絡がつかない状態です。

「文化と言えば変だがその認識があったと思う」

一方、愛知県瀬戸市出身の鈴木淳司前総務大臣は在任中、一貫して派閥からのキックバックがあったことを否定していました。ところが。

(鈴木淳司前総務大臣 15日)
「5年間で総額60万円、派閥から還流(キックバック)されていた。秘書が派閥から現金で受け取り、その都度私に報告の後、事務所で保管していた」

辞任してから一転。15日、新旧大臣の引き継ぎで総務省を訪れたのに合わせ、報道陣に対し、派閥からキックバックを受け、収支報告書に記載していなかったことを明らかにしました。

(鈴木淳司前総務大臣 15日)
「活動費として配られたもので、裏金として受け取った認識はなかった。活動費としての理解でいたために、政治資金収支報告書に記載しなければいけないという発想には至っていなかった」

速やかに収支報告書を訂正する方針を示しました。さらに、驚きの発言が。

(鈴木淳司前総務大臣 15日)
「この世界で(還流は)文化と言えば変だがその認識があったと思う」

この言動にはSNSでも大きな反響が。

「不倫は文化みたいに言うのやめろ」
「総務大臣はそもそも政治資金規正法の所管大臣ではないのか?」

この鈴木前総務大臣の「“キックバック”は文化」発言…問題視する意見が様々飛び交いましたが、鈴木前総務大臣は辞表を提出した14日には、CBCの取材の中で、こう話していました。

(大石邦彦アンカーマン)
「認識甘かった?」
(鈴木淳司前総務大臣 14日)
「今から言えば甘い。これまで文化であった。これまでは不思議に思っていなかった。多くの議員がそう」

また、鈴木前総務大臣は12月15日にはこんな発言も。

(鈴木淳司前総務大臣 15日)
「私も地方議員をやっていたが、県連とかからいわゆる売り上げに対して一定の経費分があることはある」

キックバックは全国にまん延している『文化』なのでしょうか?

自民党岐阜県連でも正しく記載されず

こちらは、自民党岐阜県連「岐阜市支部」の収支報告書です。自民党岐阜県連は2020年と2022年に政治資金パーティーを開き合わせて2億9000万円余りの収入がありました。

県連はこのうち約1億3400万円を「還付金」として各支部に分配していましたが、少なくとも5つの支部で正しく記載がされていませんでした。

記載されていなかった額が最も大きかった岐阜市支部は、2020年に1235万円、2022年に1040万円の合わせて2275万円の還付金を受け取っていましたが、どちらも記載がなく、12月12日付けで正しく修正されました。

このほか少なくとも「山県市支部」、「可児市第一支部」、「本巣市北方支部」、「加茂郡支部」で還付金の不記載や少ない金額で記載されていることなどが確認されています。

「こんな国に住んどってどうするんですか…」

そして、この人が「ことしの漢字」を18日、「裏」と発表しました。

(名古屋・河村たかし市長 18日)
「日本の中枢の政治が裏金まみれだった。裏金を例えば5000万もらった人は、何に使ったんですか?」

河村市長は、裏金の一部が地方議員にも渡っていなかったか?税金が何に使われたのか?しっかり調査するべきだと主張しました。

(名古屋・河村たかし市長)
「裏金を議員間同士でやり取りする。鉄の団結を作る。こんな国に住んどってどうするんですか私たち日本人は」

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