自動運転「スマートバス」実証実験 “だれでも乗車可能”…地域の新しい交通手段に!(静岡・浜松市)

高齢化や過疎化時代を乗りこえる新しい交通手段を目指して、浜松市で自動運転の実証実験が数年前から行われていますが、いま行われている実験では、だれでも自動運転のバスに乗ることができます。

(記者)

「こちらに走ってきたのが自動運転の車です。車体にはスマートバスと書かれています」

路線バスの本数が減ったり、廃止された地域で、代わりに自動運転の車を走らせようという取り組み「スマートバス」。自動運転システムの開発会社や自動車メーカーのスズキ、浜松市などが2016年にスタートさせました。4回目となった今回の実証実験では、なんと予約すれば誰でも無料で乗車することができるのです。

(記者)

「乗車の予約はチラシについているコードからできるということなので、早速やってみたいと思います」

走っているのは浜松市西区の舘山寺から片道9キロのコースです。乗車する場所と時間を入力。わずか2分で予約できました。乗車場所で待っていると…

(記者)

「今あちらから自動運転の車がやってきました」

この日は、自動運転を体験しにきたという大学生と相乗りとなりました。

(運転スタッフ)

「自動運転に切り替えます、自動運転に切り替えました」

実証実験では、運転席に補助運転手が乗り状況によって手動で運転をサポートしますが、基本的には、自動で走行しています。

(記者)

「先ほどから35キロほどの速さで走っていますが、特に急ブレーキもなく快適な走行に感じられます」

信号に差し掛かった時には、赤信号を感知して自動で停止。さらにウインカーも車が自動で出すのです。相乗りした大学生にも話を聞いてみました。

(大学生)

「大学のゼミで街づくりの勉強をしていて、バスの運転手不足とかで問題になっている中で、ちょっと乗ってみようかなって乗っています。思ったより快適でびっくりしました」

あっという間に終点の停留所に到着しました。片道9キロという距離を、自動で正確に走ることができるのはなぜなのでしょうか。

このシステムは、事前に走るルートの高精度で立体的な地図を作り、車に登録しておきます。そして車の上のセンサーとカメラが周囲の建物などを検知して地図と組み合わせることで、今、どこを走っているのか判断し自動で走るのです。

浜松市はこの実証実験を重ね、地域課題の解決につなげたいと考えています。

(浜松市 産業振興課 源馬利弘 主任)

「自動運転の実施体制の構築に注目して今回実施した。住民はもちろん、観光で浜松に来た人も予約すれば乗れる。ぜひとも体験していただければと思います」

この「スマートバス」の実証実験は、1回目が12月23日まで、2回目が2024年1月9日から2月17日までで、予約をすれば誰でも無料で乗ることができます。

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