「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」 “二大スター” 3日間限定共演 県立美術館「文晁と北斎」展 22~24日

葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(大田区立龍子記念館蔵)

 「グレートウエーブ」再び-。県立美術館で開催中の「文晁(ぶんちょう)と北斎(ほくさい)-このふたり、ただものにあらず」(同館、下野新聞社主催)に22日、葛飾(かつしか)北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が再展示される。24日の閉幕まで3日間限定。後期展示中の「赤富士」こと「凱風快晴(がいふうかいせい)」と合わせ、晩年の代表作の中でも特に人気が高い2点がそろう。

 同展は江戸後期、ほぼ同時期に活躍した谷(たに)文晁(1763~1840年)と北斎(1760~1849年)の初公開肉筆画などを含め計87件を紹介。「冨嶽三十六景」全46図は半期ずつの展示で、「神奈川沖浪裏」は前期(11月19日まで)に展示されていた。大波の裏側を描くという発想の大胆さ、ダイナミックな画面は、うろこ雲が浮かぶ藍の空と山肌を赤く染めた富士が印象的な「凱風快晴」とともに世界的に知られている。

 同館の担当者によると、後期展の来館者から「波はないのか」という声が多数寄せられ所蔵館と交渉。「冨嶽三十六景」“二大スター”の希少な同時展示が実現した。

 栃木県誕生150年、下野新聞創刊145周年の記念展。会場の解説文にQRコードを付け、来場者が自分のスマートフォンなどで読めるサービスも実施中。

 観覧料一般千円、大高生600円、中学生以下無料。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」(大田区立龍子記念館蔵)

© 株式会社下野新聞社