「罪認め全て話した」 小泉被告、本社取材に 志賀町贈収賄

保釈後、取材に応じる小泉被告=18日午後6時40分、金沢中署

  ●3回目起訴、保釈される 

 志賀町発注工事の入札を巡る贈収賄事件で、金沢地検は18日、昨年7月7日の道路改良工事の入札で最低制限価格を漏らし現金40万円を受け取ったとして、前町長の小泉勝容疑者(57)=同町町(まち)=を加重収賄などの罪で起訴した。起訴は3回目。小泉被告は同日保釈され、勾留先の金沢中署前で「罪を認め、全てをお話しさせていただきました。本当に申し訳ありませんでした」と頭を下げた。

 同署前で北國新聞社とNHKの取材に答えた。小泉被告は18日午後6時40分ごろ、白いシャツに紺色のネクタイとスーツ姿で、署の裏口に姿を見せた。勾留は逮捕された10月30日から50日間におよび、髪は伸びて白髪が交じり、顔は少しやつれていた。「一言おわびを申し上げたいと思います」と切り出すと「志賀町、志賀町民はもとより、石川県をはじめ、関係各位に大変ご迷惑をお掛けしました」と謝罪した。

 「町政に混乱を招かないようにと、町長の職務を速やかに辞させていただきました」と明かし、今後については「裁判で裁いていただき、その罪をしっかり受け止めたいと思っております」と述べた。その後、再び頭を下げ、迎えのワゴン車に乗り込んで署を後にした。

 金沢地裁によると、地裁は18日、小泉被告の保釈請求を認めた。保釈保証金は起訴3件分で計600万円となり、即日納付された。

 地検は同日、贈賄などの罪で西田組(同町)代表取締役の西田浩和容疑者(50)を在宅起訴した。同罪ではこれまで、青谷工業社長の青谷武被告(83)と米木工務店社長の米木義則被告(68)も起訴されている。

  ●妻2人は起訴猶予

 青谷工業の事件で、受託収賄などの容疑で逮捕された小泉被告の妻(57)と、贈賄などの容疑で逮捕された青谷被告の妻(76)は、いずれも処分保留で釈放されていたが、金沢地検が18日に不起訴処分(起訴猶予)とした。小泉被告の妻については一部の容疑を加重収賄に切り替えた。

 児堀達也次席検事は妻2人の処分理由について「事件への関与の程度などを考慮した」と述べた。

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