初出場の南米王者フルミネンセがアル・アハリに競り勝って決勝進出! マルセロやメロが大舞台で勝負強さ発揮【クラブW杯】

[写真:Getty Images]

FIFAクラブ・ワールドカップ(W杯)2023の準決勝、フルミネンセ(ブラジル)vsアル・アハリ(エジプト)が18日にキング・アブドゥッラー・スポーツ・シティで行われ、2-0で勝利したフルミネンセが決勝進出を決めた。

ボカ・ジュニアーズとの白熱の決勝を制してコパ・リベルタドーレス初優勝を成し遂げた南米王者のフルミネンセは、初参戦の大舞台で初白星と共に決勝進出を狙った。ブラジル代表暫定指揮官も兼任するジニス監督は、この一戦に向けてマルセロ、フェリペ・メロやガンソといった元セレソンに欧州のビッグクラブ関心の逸材MFアンドレらをスタメンで起用した。

一方、CAFチャンピオンズリーグ最多優勝を誇り、今大会9度目の出場となったアフリカ王者のアル・アハリは、15日に行われた準々決勝でベンゼマやカンテらを擁する開催国サウジアラビア王者のアル・イテハドを3-1で撃破し、ベスト4進出を決めた。中2日での一戦ではコカに代えてタウフィークを起用した以外、同じメンバーを継続した。

熱狂的なサポーターの後押しと試合勘で勝るアル・アハリが押し込む入りを見せるが、最初の決定機はフルミネンセに訪れる。開始9分、左サイドでケノが上げたクロスをボックス右でフリーのアリアスが抑えの利いた見事な右足ダイレクトボレーで合わすが、これは惜しくも右ポストを掠める。

いきなりのピンチで肝を冷やしたアル・アハリだが、ここから攻勢を強めていくと、15分過ぎに続けて決定機を創出。まずは右サイドでうまく背後を取ったパウがボックス内に持ち込んでシュートを試みるが、ここはメロの見事なスライディングタックルに遭う。このプレーで得た右CKではニアでアブデルモネムが頭でフリックしたところにファーのカハラバが飛び込むが、その寸前でDFシャビエルの圧巻のブロックに阻まれた。

守備陣の2つの好守でピンチを凌いだ南米王者は24分にセットプレーから2度目の決定機。ボックス中央で浮いたマルティネッリが右足のシュートを右隅へ飛ばすが、この試合チーム2度目のポストに阻まれる。

前半半ばから終盤にかけてはオープンな展開に。その流れでも優位性を維持するアフリカ王者はエル・シャハトのボックス付近での再三の鋭い仕掛けでチャンスを生み出すと、35分にはエル・シャハトのカットインからの右足シュートのこぼれに反応したゴール前のカハラバが決定的なヘディングシュートを放ったが、これはGKファビオの見事なファインセーブに阻まれた。

ボール支配率はフルミネンセ優位もシュート、チャンスの数ではアル・アハリが圧倒した前半45分を経て、試合はゴールレスのまま後半に突入。

引き続きフルミネンセがボールを握る形となるが、アル・アハリがより効果的にカウンターからフィニッシュまで持ち込んでいく。63分には左サイドを抜け出したエル・シャハトがカットインシュートを狙うが、枠を捉えたシュートはGKファビオの好守に阻まれる。

一方、攻めあぐねる状況が目立つ南米王者だったが、百戦錬磨のベテランDFが決定的な仕事を果たす。67分、ボックス左でボールを受けたマルセロがうまくボールを収めてタウのファウルを誘うと、微妙な判定ながらもPKが与えられる。これをキッカーのアリアスが冷静に左隅へ蹴り込んだ。

優勢に試合を進めながらもビハインドを背負ったアル・アハリは、失点直後にマルセロの緩慢な対応を突いてゴール前にフリーで抜け出したパウに決定機が訪れるが、至近距離から放ったヘディングシュートはGK正面を突いた。

その後、フルミネンセは足が止まり始めたマルセロ、メロ、ガンソらのベテランを下げてフレッシュな選手の投入で逃げ切り態勢に入る。対してアル・アハリは攻撃的なカードを続けて切って前がかる。

最終盤に入って両者の構図が入れ替わったなか、フルミネンセのカウンターからトドメの2点目が生まれる。90分、相手陣内中央でのボール奪取からボックス手前右でマルティネッリからパスを受けた途中出場のジョン・ケネジが左足のコントロールシュートをゴール左下隅に流し込んだ。

そして、リベルタドーレス制覇の立役者のダメ押しゴールで勝負を決めたフルミネンセがこのまま2-0で試合を締めくくった。

なお、見事にクラブ史上初となるCWC勝利を挙げたフルミネンセは、22日に浦和レッズvsマンチェスター・シティの勝者との運命のファイナルに臨み、敗れたアル・アハリは同日に前述の敗者との3位決定戦に臨む。

フルミネンセ 2-0 アル・アハリ
【フルミネンセ】
アリアス(後26)【PK】
ジョン・ケネジ(後45)

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