西ノ内紙で卒業証書 児童、紙すき体験 茨城・常陸大宮 山方小

紙すきをして自分の卒業証書を作る山方小の6年生たち=常陸大宮市舟生

地元特産の高級和紙「西ノ内紙」で、自分たちの卒業証書を作るため、茨城県常陸大宮市山方の市立山方小(大沢恵子校長)の6年生22人が、同市舟生の和紙製造販売店「紙のさと」で、紙すきを体験した。

児童たちは同店3代目の菊池大輔さん(47)に手ほどきを受けながら、舟と呼ばれるコウゾの皮から取った原料や水、トロロアオイが入った大きな容器の中で、紙すきに挑戦。簾桁(すけた)を使って上下左右に動かしながら原料が均一になるよう細心の注意を払い、紙と紙の間に校章をはさんだ。

今後、乾燥されて印刷が施され、卒業証書が完成する。

大津結菜さん(12)は「難しかったが、一生残るものなので、自分で作れたのがうれしかった。いろんな素材から紙ができる過程も分かり、発想がすごいと思った」と笑顔を見せた。

同校で2023年度、校庭で和紙の原料となるコウゾの栽培も始めている。24年1月ごろに収穫期を迎える。石井聖也君(同)は「自分たちで和紙の原料を最初から育てているのは、すごいと思う」と話した。

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