ガザの子どもたちに思い寄せて 相模原の画家・上條さんら200点展示へ

展示する予定の絵画と上條さん=上條さんのアトリエ

 パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍とイスラム組織ハマスの紛争が続く中、パレスチナの子どもたちの絵画を紹介する展示が21日から26日まで、神奈川県相模原市内で開かれる。主催するのは、20年以上にわたってパレスチナに関わりを持ち、ガザで子どもたちに絵を教えたこともある同市南区の画家上條陽子さん(86)ら。旧知の画家や子どもたちを案じる上條さんは、「人々の犠牲が大きすぎる。どんなに苦しんでいるか知る必要がある」と、ガザに思いを寄せてほしいと訴える。

 上條さんは1999年、巡回展に参加するためガザに初めて足を運び、パレスチナの貧しさを目の当たりにした。何か力になれないかと考え、2001年に「パレスチナのハート アートプロジェクト(PHAP)」を立ち上げた。レバノンのパレスチナ難民キャンプで子どもたちに絵を教える活動を10年続け、13年にはガザの子どもたちにも教えた。

 こうした機会に現地の子どもたちが描いた絵画が、上條さんの自宅アトリエに並ぶ。赤や青、黄など思い思いの色を使って花や家族、時計など表現した作品の数々。「日本の子の絵は正確で緻密だが、パレスチナの子は、例えば心が暗かったら花もブルーで描くとか、正直に自分の感情を表している」。今回の展示では、200点以上の作品を並べるつもりだ。

 展示はユニコムプラザさがみはら(同区相模大野)で、午前10時から午後5時まで。入場無料。初日のギャラリートークは午後2時から。問い合わせは、PHAPの福山茂さん☎090(8689)1699。

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