「望まない妊娠」を防ぐ国の対策を東京都は独自でさらに拡充…その支援策の中身とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。12月13日(水)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、東京都が検討している“未成年の緊急避妊支援”について取り上げました。

◆全国に広めるべき東京都の新たな取り組み

都議会の代表質問で小池知事は、未成年者などへの緊急避妊に関する支援を行う方針を明らかにしました。国は11月から望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬の処方箋なしでの試験販売を始めていますが、東京都は国が販売の対象外とする16歳未満を含めた20代前半までの若い世代を対象に支援する検討を進めています。

都の若者相談施設の看護師などが必要に応じて医療機関に同行するほか、医療機関を受診した際の費用についても支援を検討しています。都の担当者によると、人員体制の確保などの調整を進め、来年の春の開始を目指しているということです。

◆都の検討方針に、識者の見解は?

今回の都の支援策に対し、ノンフィクションライターの吉川ばんびさんは「非常にいい取り組みだと思う」と高く評価し、「できれば全国に広がってほしい」とさらなる拡大を望みます。

吉川さん曰く、現在、自費での購入が必要となる緊急避妊薬の価格は約1万円。未成年が安易に購入できる金額ではなく、しかも未成年のなかには性被害にあっても両親に言えない人が多いとあって、それはなおさら。そして、購入できなかった結果、妊娠してしまうケースもあり、吉川さんは「こうして都が支援してくれるのは、非常に心強い」と言います。

しかし、地方に行くと東京都のような支援がないまま中絶の手続きが必要となり、そこで初めて親や周囲の人に知られてしまうということもあるそうで、「今、経口中絶薬も自費の話で進んでいるが、できれば薬価を下げて、普及するような形になれば」と切望。

吉川さんの話を聞き、キャスターの堀潤は「保護者の規定範囲を少し広げる必要がある」と示唆。というのも、性暴力被害に関しては近親者・家庭内が多く、そうなると当然家庭内で相談することはできません。そうした背景に触れ、堀は「誰が(性暴力被害を受ける)10代の子たちを守ってあげられるのか」と案じます。

一方、法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんは、今回の取り組みを評価しつつも、「結局、それは(若者に)どうアプローチできるんですかというところがある」と周知活動を懸念。その上で、「これはテレビで伝えるだけでは足りない、基本的には学校などで積極的に周知していくことがまず必要」と訴えます。

加えて、「学校には今、カウンセラーなどもいるので、そことの連携も」と指摘し、「やっぱり(性被害を受けても)親に言えないということはあるし、学校など第二、第三の居場所がないという人もいるので、これはそういう人たちをいかに支援していくかというところも含めた"性”の対策になってくると思う」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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