中島啓太の視線は欧州に 米ツアーへ目指す“久常ルート”

来年は欧州ツアーを主戦場にする考えを示唆した(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇Qスクール ファイナルステージ(最終予選会) 最終日(18日)◇TPCソーグラス ダイズバレーC (6850yd)、ソーグラスCC(7054yd、いずれもパー70)

中島啓太が満を持して臨んだ米国ツアーへの初挑戦は、悔しさだけを残す結果に終わった。54位からスタートした最終ラウンド(ダイズバレーC)は3バーディ、1ボギー1ダブルボギーの「70」にとどまり、通算イーブンパーの45位で終了。5位タイまでの通過ラインに遠く届かなかった。

6位タイで競技を折り返しながら、後半2ラウンドに「75」「70」とスコアを落とす展開。「週末にいいプレーができなかったのは悔しい。これが今の結果だと思うので、たくさん練習したい」と言葉を振り絞った。

中島啓太は45位で来季出場権に届かず。後半戦の失速に悔しさをにじませた(撮影/田辺安啓(JJ))

日本ツアーで賞金王を戴冠した一年を経て、来季はすでに海外でプレーする決意を固めている。米下部コーンフェリーツアーの限定的な出場権が付与されるが、「早くPGAツアーに行けるベストなルートを考えて来年プレーしたい」と模索するその視線は、DPワールドツアー(欧州ツアー)に向きつつある。

「おそらくですけど、直近で考えているのはフルシードを使ったヨーロッパ」と、日本ツアー賞金ランキング1位により出場資格を得た欧州ツアーを主戦場にする構え。ツアーは11月下旬の開幕からすでに6試合を消化し、来年1月11日にドバイで開幕する「ドバイ招待」で再開する。「すでに出遅れているので、おそらくドバイからほぼ全試合、出場する予定でいます」と構想を明かした。

ホールアウト後は「もっと練習したい」と何度も繰り返した(撮影/田辺安啓(JJ))

目指すのは、欧州を経由して米国ツアーの出場資格を得る“久常ルート”だ。年間ポイントレース(レース・トゥ・ドバイ)の最終ランキング上位10人に資格が付与され、昨季は欧州ツアー初優勝を飾るなど躍進した久常涼が同資格により来季米国ツアーの出場権をつかんだ。

「もちろん苦しいと思うけれど、やっぱり松山(英樹)さんのいるPGAツアーに早く行きたい。失うものはないので、全力で海外に挑戦するだけ。ヨーロッパにフル参戦して、来年アメリカにいられれば一番いいと思う」

前半戦の好位置をキープできなかった(撮影/田辺安啓(JJ))

日本ツアーで付けた自信は「こっちに来るとぜんぜん通用しないと分かった」と打ち砕かれた。「弱音をはいている場合じゃないし、すぐに活動して、たくさん練習とトレーニングをしたい。休まないです」。悔しさと課題を心に刻んで帰国し、新たな目標に向けて再スタートを切る。

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