稲葉篤紀「この賞をいただいて、改めて継続が⼤事だと感じました」

⽇本財団が、アスリートと共に社会課題解決の輪を広げていくことを⽬的とした「HEROs〜Sportsmanship for the future〜」(以下 HEROs)プロジェクトを推進している。その取り組みの⼀つである、アスリートやスポーツに関する社会貢献活動の優れたロールモデルを表彰する「HEROs AWARD」を2017年から開催してきた。第7回⽬となる「HEROs AWARD 2023」を12⽉18⽇(⽉) 都内にて開催した。

今年は⾃薦、他薦によりノミネートされた366の候補の中から、社会課題の周知や、⽀援者が拡⼤しているか、スポーツの⼒を活⽤しているか、といった視点で審査が⾏われ、アスリート部⾨ではプロスノーボーダーの荒井daze善正、元競泳⽇本代表 伊藤華英、プロ野球選⼿の和⽥毅、チーム・リーグ部⾨では、北海道⽇本ハムファイターズ、企業部⾨では、アディダスジャパン株式会社、さらにアーティスト部⾨では、歌⼿の⼀⻘窈がそれぞれ「HEROs AWARD」を受賞。中⽥英寿や五郎丸歩ら、HEROs アンバサダーをはじめ、競技の壁を越え、スポーツ各界から集まった錚々たるアスリート・スポーツ関係者が⾒守る中、社会貢献活動の優れたロールモデルとして表彰を受けた。

⾃⽴援助ホーム⽀援の〈フード・カウンター〉、ウォーキングを通したパラスポーツ⽀援の〈あしあと基⾦〉、ウィンタースポーツ助成の〈ゆきのね奨楽⾦〉など、野球振興や北海道の地域課題解決に繋がる取り組み「SC(Sports Community)活動」が評価され、チーム・リーグ部⾨を受賞した北海道⽇本ハムファイターズから代表してトロフィーを受け取った稲葉篤紀は、2015年から⾏なっているSC活動について「ここまでやってきて、『本当に地域の皆さんのためになっているのだろうか?』と思う時期もありましたが、数字で現れることがない中で、この賞をいただいて改めて継続が⼤事だなと感じました。今年から(活動場所が)“エスコンフィールド HOKKAIDO”に変わりました。また新たなSC活動をみんなで考えて取り組んでいき、地域の皆さんのためになるように頑張りたいです」と、スポーツチームの地域との取り組み⽅の思いを述べるとともに、今後も継続的に社会貢献活動に取り組んでいく意思を表明した。

18年間続けているミャンマーやラオスの⼦供たちへのワクチンの寄付などの活動が評価され、アスリート部⾨を受賞した和⽥毅は、「沢⼭のアスリートが認知し⾏動してくれたおかげで、⼦供が亡くなる数が減るのはとても嬉しいことです。もっと多くの⽅に知っていただき、この世界で亡くなる⼦供の数が0になるよう、現役⽣活は⻑くないですが、できる限り腕を振り続けて⾏きたいです。引退後も JCV(※)さんと少しでも何か貢献できるようにしたいと思っています」と今後の活動の展望を語った。

さらに、アーティスト部⾨として受賞した⼀⻘窈は、ライブパフォーマンスで、⾃⾝の代表曲である「ハナミズキ」とデビュー曲である「もらい泣き」を披露し、社会貢献活動に対する熱い思いと⼈間らしく⽣きる⼒を歌で表現し会場の感動を誘った。

各受賞者の表彰後に⾏われたトークセッションでは、アスリート部⾨を受賞した、荒井 DAZE善正、伊藤華英、和⽥毅の3名が登壇し、各受賞者のプロジェクトの始まりや、やりがい、今後の展望を語った。アスリートの影響⼒について聞かれた和⽥は、「⼀つのきっかけ、些細なところから社会貢献の輪というものが広がると思います。思い⽴てば僕にでもできるし、それだけアスリートの⼒は素晴らしいものだと思います」とコメントした。また、活動のやりがいを聞かれた伊藤は、「活動をやっていく中で、多くの⽅が競技の垣根を超えて声をかけてくれるんです。社会貢献活動の意味というか、垣根を超え、新たな仲間が作られて広がっていくことにやりがいを感じています」と⾃⾝の社会貢献活動の発展の喜びについて語った。最後に、活動の認知拡⼤のためにこの⽇出席した各界のアスリートや、企業の皆さんに協⼒してほしい事を聞かれた荒井は「無理にお願いはしていません。これからいろんな⼈の取り組みを知った上で、⾃分ごと化して⾏動してほしいです」と⼒強く語り、今後の⽬標について和⽥は「⾃⾝の取り組みの⼀つである、来年で20回⽬を迎える和⽥杯について、たくさんのプロ野球選⼿の冠のついた⼤会の⼀位を集めた全国⼤会をいつか開催したいです」と語り、トークセッションを締めくくった。

※JCV:「世界の⼦どもにワクチンを ⽇本委員会」Japan Committee Vaccines for the Worldʼs Children の略。開発途上国の⼦どもたちにワクチンを届け、⼦どもたちの未来を⽣み出す活動を⾏っている⺠間の国際⽀援団体

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