Skydio最新ドローン「Skydio X10」は、暗所での自律飛行や高い拡張性が特徴

今回Skydio日本代表である柿島英和氏が、SkydioとSkydio X10について解説した。

Skydio X10

Skydio X10は、今年9月21日に発表されたSkydioの最新ドローンだ。3週間前からアメリカで出荷が始まっており、日本でも来年2024年3月末までに発売予定だ。

https://www.drone.jp/news/2023092102561573030.html

今回のデモンストレーションでは、飛行中のサーマルカメラの映像をプロジェクターで表示した。

Skydio X10のカメラ性能が大きく向上したのは大きなポイントだろう。新しく搭載された望遠カメラは、234m先のナンバープレートの数字が読み取れるぐらい高性能だ。

Skydio X10が、自動的に障害物を検知した様子を送信機側でも確認できる

今までになかった機能の一つが拡張性だ。新しくスポットライト、スピーカー、RTKなどがオプションで提供されるが、一番の注目は暗所における自律飛行ができるナイトセンスだろう。

ナイトセンスをアタッチすると、可視光または赤外線をつかい、暗闇でも自律飛行が可能になる。暗闇での飛行は、ナイトセンスなしでもGPSがあれば飛べるが、障害物の自動回避はできない。すでに建築会社から、トンネルで活用したいという要望があるという。

またAVSSパラシュートも追加された。Skydio機では初となる。アメリカでは特定の用途でニーズが高いという。

ペイロードなしでの最大飛行時間は約40分だ。ナイトセンスをアタッチしたときの飛行時間は検測中という。通信方式は、WifiとLTEに対応しているが、購入時にどちらかの仕様を選ぶ必要がある。

プロペラを畳んだ状態でなら簡単に片手で持てるサイズだが、Skydio 2+と比べると大きくなっている。しかし、ケースから取り出して40秒でフライトできるのは大きなメリットだ。

IP55に対応しているため、雨天時でも飛行できる。動作温度は-20℃〜45℃。

メインプロセッサーにはNVIDIAのJetson Orinを搭載しており、これはエッジAI開発プラットフォームの最先端の組み込み機器だ。今後は、AIを活用した状況認識や未来予測など、端末内での自動処理が可能となり、ドローンでのリアルタイムAI活用の可能性が広がるだろう。AI技術の進化により、どのようなアプリケーションが展開されるかを楽しみだ。

Skydioについて

Skydioは、2014年にシリコンバレーで創業したドローン企業だ。Skydioの製品は、今までに世界中で4万台以上の出荷されており、主にSkydio 2+、Skydio X2、Skydio Dockなどドローンやドローンポートを展開している。

2020年に日本法人が設立されて、NTTコミュニケーションズなど提携パートナーを通し、すでに日本国内で1,000台以上のSkydio機が展開している。

Skydioの特徴に挙げられるのは、Visual SLAMと呼ばれるカメラを用いて自己位置を推定して自律制御する機能を備えていることだ。これはGPS情報が届かない環境下でも安全にドローンが飛行できるため、屋内やGPSが届かない環境下でのドローン点検に適している。

Skydio機の型式認証を取得する準備は進めているということで、取得すれば今後さらに多くのSkydio機が飛ぶようになるだろう。まずはSkydio X10でドローン点検市場の成長をリードしていくのを期待したい。

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