【漫画】不治の病を抱えた少女 海に流した願い事 「思わず涙がこぼれた」と話題 作者が語る

不治の病を抱えた少女「はるか」と、親友の「かなた」、はるかの兄「かもめ」。仲の良い3人は海で空を飛ぶカモメを眺める。はるかは心に秘めた願いごとを書いてガラス瓶に入れ、海に流す。「3人ずっといっしょに居られるといいね」笑い合った3人だったが──『はるかかなたのかもめ』

『はるかかなたのかもめ』-01

さよならうみかわさん(@sayonaraumikawa)は、SNSで漫画作品を発表する傍ら、シーシャ(水タバコ)の名店で作り手として働いている異色の漫画家だ。本作『はるかかなたのかもめ』には、「思わず鳥肌が立った」「涙がこぼれた」という読者からの感想が寄せられる。どのような思いでこの作品を生み出したのか、作者のうみかわさんに話を聞いた。

人間関係に悩みながら求めて来たものとは

まず驚かされるのは、その作画だ。ラフで力強いペンタッチと、人物の激しい思いがフォルムに現れる動きのあるデフォルメに、思わず引き込まれてしまう。作画について意識していることを聞いた。

『はるかかなたのかもめ』-02

「自分が心の底からコレだ、と思う作画の『型』が見つかるまで『型』に囚われない様に意識しています。ずっとその意識がありまして、絵柄、ペンタッチと日々変わっていきますが、その中で変わらない何かが自分が本当に持っている感覚なのかなと」

『はるかかなたのかもめ』-03

『はるかかなたのかもめ』では、兄妹と親友の心の揺れ動きが丁寧に描かれていく。「男女間、兄弟姉妹間、恋愛ではない絆や情念のような……曖昧なモノを形にしたいとチャレンジした作品の一旦が『はるかかなたのかもめ』になります。曖昧かも知れませんが、人間関係にずっと悩んできた自分が、渇望していたモノをなんとか形にしたかったのかも知れません」

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ページの隅々から、ほとばしるような思いがストレートに伝わるこの作品で大切にしたのはどのようなことだったのだろう。「日々を生きていると、こういうのを描きたい!と稲妻のような衝動が降ってくる瞬間がありまして、その荒々しく凄まじい『熱』を保ちながら綺麗にしすぎない様に意識しています」

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最後に、今後描いてみたいものについて聞いてみた。「今熱中しているシーシャを絡めたシーシャの漫画と、青春時代に全力で打ち込んだハンドボールの漫画を全力で描いていきたいです」と話す、うみかわさん。“全力で”という言葉の通り、今後もエネルギーあふれる作品を期待したい。

<さよならうみかわさんInformation>
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(よろず~ニュース特約・橋本未来)

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