学校の思い出を“円盤アート”に 新庄小150周年記念、全児童がスギ材に描く

お披露目された150周年記念アートを眺める児童と、東北芸術工科大の教員、学生=新庄市・新庄小

 新庄市新庄小(高橋昭一校長、312人)の玄関に全校児童が描いた創立150周年記念アートが設置され、お披露目会が18日に開かれた。東北芸術工科大(山形市)美術科洋画コースの教員2人と学生8人が制作に協力し、児童の思い出が詰まった“円盤アート”が完成した。

 児童たちは今年9月、「学校生活で楽しいこと」をテーマに、直径13センチほどの円盤状の地元産スギ材に絵を描いた。完成した作品には運動会や夏休みの虫捕り、100点を取ったテスト用紙などの思い出が刻まれ、芸工大が円盤状の絵12枚を縦につるして展示することを考案。玄関前の鉄骨の隙間5カ所を利用し、5区画(高さ2.4メートル、幅1.4メートル)に絵を飾った。それぞれの絵は風を受けると回転し、両面を見ることができる。

 お披露目会では、芸工大の細川貴司准教授が「裏表に描いた絵が回ることで、毎日違う組み合わせを見ることができる」と円盤アートの意図を説明。児童たちは絵を見比べながら楽しんでいた。6年伊藤心絆(ここな)さん(12)は「思い出がアートとして学校に残るのはうれしい」と笑顔を見せた。

 同校は昨年11月、児童の思い出が形に残る記念事業に取り組もうと芸工大に協力を依頼。同大の教員と学生がワークショップなどで同校を訪れ、約1年かけて児童と交流しながら作品を作り上げた。

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