伝統の松飾り「よい正月を」 重さ50キロ、佐賀城本丸歴史館(佐賀市)に設置

「鼓の胴の松飾り」を飾り付ける保存会の会員たち=佐賀市の佐賀城本丸歴史館

 佐賀藩の伝統的な正月飾り「鼓(つづみ)の胴の松飾り」が15日、佐賀市城内の佐賀城本丸歴史館玄関に設置された。同市蓮池町のボランティアでつくる「鼓の胴の松飾り保存会」の会員15人が飾り付け、迎春の準備を整えた。

 「鼓の胴の松飾り」は1638(寛永15)年、島原の乱鎮圧を巡る佐賀藩の謹慎処分が年末に突然解かれ、藩主の鍋島勝茂が納屋の米俵などを使って急きょ正月の松飾りを作らせたことが始まりとされる。

 松飾りは幅約120センチ、高さ約80センチ、重さ約50キロ。土台となる筒状の稲わらの周りに、放射状に細いわら束を配して「鼓」の形を表現した。同町の小中一貫校芙蓉校5年生が育てた稲のわらなどを使い、子孫繁栄の願いを込めてダイダイの実やユズリハの葉なども添えた。

 保存会の長野幸雄会長(81)は「大勢の方に来てもらい、よいお正月を迎えてほしい」と話した。松飾りは1月16日まで飾る。(松尾綺子)

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