2024年度の日程で五輪OA枠は海外組を招集/六川亨の日本サッカーの歩み

[写真:Getty Images]

JFA(日本サッカー協会)は18日、2024年度の全カテゴリーの代表チームのスケジュールを発表した。

まずサムライブルーは元旦の1月1日に国立競技場でタイ代表と対戦。試合後には12日から始まるアジアカップのエントリーメンバーを発表し、カタールへと乗り込む。そして3月にはW杯アジア2次予選の北朝鮮とホームで21日に対戦し、26日にはアウェーでの試合が控えている。

その後の6月と9、10、11月のIW(インターナショナルウインドウ=代表活動期間)はいずれもW杯アジア2次予選と最終予選で埋まっている。

気になる3月の北朝鮮との2試合だが、2月にはなでしこジャパンがパリ五輪アジア最終予選で一足先に対戦する。こちらは2月24日がアウェーで、28日がホームとなっている。男女ともにアウェーは北朝鮮での試合を想定して準備しているものの、「AFCには年内に(開催地を)決めて欲しいとリクエストしている」(佐々木則夫・女子委員長)という。

北朝鮮とは、国内では1985年と1989年のW杯予選で旧国立競技場で対戦したが、その後の2005年と2011年のW杯予選は埼玉スタジアムで開催している(E-1選手権はのぞく)。ホームでの試合ではあるが、北朝鮮とは国交がないだけに「JFAだけで決められない。政府と調整中」(山本昌邦ナショナルチームダイレクター)という難しさもある。

24年度の活動について森保一監督は「元日から試合ができるのは幸せなこと。アジアカップ、最終予選と続いていくが、1試合1試合、勝利を全力でつかみ取りたいと思っている。アジアカップで勝つ、2次予選を突破する、最終予選で勝つことに変わりはない」と抱負を述べた。

ちなみにタイ代表の監督は元鹿島監督の石井忠正が今年11月から務めていて、U-23日本代表の大岩剛監督とは鹿島時代に監督とコーチという間柄だった。そして代表チームの監督同士が日本人対決となるのは今回が初めてだ。2012年のW杯最終予選でイラクと対戦した時(1-0)に、イラクの監督はジーコだったというケースはある。

続いてU-23日本代表は3月22日に京都サンガスタジアムで、すでに五輪の出場権を獲得しているU-23マリ代表と、25日には北九州スタジアムで国際親善試合を行うことが決まっている(対戦相手は未定)。

その後、4月15日からはカタールで開催されるAFC U-23アジアカップでパリ五輪の出場権を賭けて韓国、中国、UAEらと争う。グループリーグは2位までが8チームによる決勝トーナメントに進み、3位までが五輪の出場権を獲得。4位はCAF予選4位のギニアとのプレーオフに進むことになっている。

五輪の出場権を獲得したら、6月3日から16日まで海外遠征を予定しており、ここで大岩監督はOA枠として海外組の選手の招集を考えている。6月は、サムライブルーも6日にミャンマー戦(アウェー)、11日にシリア戦(ホーム)が控えているが、森保監督も「代表ファミリーとして、また指導者として、できる限り協力したい」と全面バックアップする予定だ。ちなみにアジアカップのトレーニングパートナーはU-18世代から招集する。

なお、来年度の日程ですでにW杯出場が決まっているのはビーチサッカー日本代表で(ブラインドサッカー男子はパリ・パラリンピック出場が決定)、2月15日から25日までドバイで開催される。「現在FIFAランクは5位」(オズ監督)で、前回ロシア大会は準優勝だっただけに、初優勝へ期待が高まるところだ。


【文・六川亨】

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