「報告書は娘の命と同じ価値。一文字も無駄にしてほしくない」 中学1年生の女子生徒自殺 父親が法廷で胸の内を証言 

5年前、名古屋市名東区で当時中学1年の女子生徒が自殺し、学校側がいじめに適切な対処を行わなかったなどとして両親が市に損害賠償を求めている裁判で、父親が胸の内を法廷で証言しました。

この裁判は2018年1月、名古屋市名東区で当時・中学1年生だった齋藤華子(さいとう・かこ)さん(当時13歳)が自殺し、学校側がいじめに適切な対処を行わなかったり、教育委員会の調査や対応がずさんだったなどとして、両親が名古屋市に対し、1540万円の損害賠償を求めています。

一方、市側はいじめがあったとする再調査委員会の報告書は認めたものの「校内アンケートの結果などからいじめを発見することはできなかった」などとして学校や教育委員会の対応に違法性はないと、訴えを退けるよう求めています。

19日に名古屋地裁で行われた裁判では、父親の信太郎さんが法廷に立ち「いじめがあったこと、加害者がいたことも分かったのに、なぜ起きたかを知ることができず、親としてこれで納得できるのでしょうか。報告書は娘の命と同じ価値がある。一行、一文字も無駄にしてほしくない」と苦しい胸の内を述べました。

裁判は19日に結審しましたが、名古屋地裁は条項を示して和解を勧めました。

(父・信太郎さん)
「一番望むのは『おかしいことはおかしい』とすんなり通る体制。娘が亡くなって6年経っても結局何も改善されていない。子どもたちが安心して学校生活を送れるようにしてほしい」

双方が検討したうえで、来年2月に話し合うということです。

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