【閲覧要注意】首を斬られた侍、カニ、血飛沫飛ぶ戦 「ハゲが勝手に決めるな!」信長のパワハラ発言も『首』冒頭映像

『首』©2023KADOKAWA ©T.N GON Co.,Ltd

日本が世界に誇る映画監督・北野武の最新作にして構想に30年を費やした戦国スペクタル超大作『首』が、現在全国で絶賛公開中。公開されるや否や、「世界のキタノの集大成」「こんな戦国時代劇が観たかった!」と話題騒然の本作より、冒頭7分36秒の映像が限定公開された。

戦国史の常識をぶっ壊す衝撃作

北野武監督が初期の代表作の1本『ソナチネ』同時期に構想し、30年もの長きに渡って温めていた本作は、巨匠・黒澤明が生前「北野くんがこれを撮れば、『七人の侍』と並ぶ傑作が生まれるはず」と期待していた念願の企画の映画化だ。

そんな野心作に豪華&異色のキャストが集結。北野武自らが「本能寺の変」を策略する羽柴秀吉を飄々と演じ、織田信長に複雑な感情を抱く明智光秀を西島秀俊が演じる。加瀬亮が狂乱の天下人・織田信長を怪演し、浅野忠信と大森南朋も秀吉を支える軍師・黒田官兵衛と弟の羽柴秀長をユーモアたっぷりに演じ切る。さらには、秀吉に憧れる百姓・難波茂助を演じる中村獅童が北野組に初参戦。他にも木村祐一、遠藤憲一、桐谷健太、小林薫、岸部一徳らが歴史上の重要人物に独自のキャラでなりきっている。

「働きしでーで跡目を選んだるに、俺のために死ぬ気で働け!」

名だたる戦国武将たちがただ、「信長の跡目を継ぎ、天下を獲ってのし上がる」という正義も大義もない血まみれの争いを描いた本作は、そのタイトルの通り「首」という題字が切り落とされるシーンから幕を開け、戦で首を取られた侍の首からサワガニが出てくるという衝撃的な映像が冒頭から鑑賞者を襲う。あまりにショッキングな内容からR18指定間違いなしの冒頭映像は、その後の容赦ない血飛沫と暴力、そして登場人物たちの死を予感させる仕上がりだ。

物言わぬ首無しの侍とサワガニから一転、舞台は信長(加瀬亮)に謀反を起こした荒木村重(遠藤憲一)の戦シーンに。1年半の長きに渡る戦いで信長は勝利するものの、村重は逃亡。“可愛がっていた”家臣である村重に裏切られた上に逃げられた信長は、秀吉(ビートたけし)、光秀(西島秀俊)ら家臣を集め村重の捕縛を命じ、なおかつ自分亡き後の跡目についてまで明言する。「ハゲが勝手に決めるな!このドクソたあけが!!」「働きしでー(次第)で跡目を選んだるに、俺のために死ぬ気で働け!」など、撮影時にかなり苦戦したという早口の河内弁で家臣を罵倒し、渾身の飛び蹴りを炸裂する加瀬亮の演技は、まさに“イッちゃってる天下人”そのもの。しかし、ただイかれているだけではなく、「何をされるかわからない」恐怖と、「跡目」という餌をうまく使いこなし、家臣を巧みに動かす信長のカリスマ性も垣間見えるシーンにもなっている。

『首』は全国公開中

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