飲料メーカー伊藤園のCMに映る女性。実は…この世に存在しない「仮想」の人物なんです。
今、広告モデルにバーチャルヒューマンを起用する企業が増えています。そのワケとは。
ピンク色のボブヘアが目を引くこちらの女性。まるで、本物の少女のようですが、実在しない「バーチャルヒューマン」です。名前はimma。
若者を中心に人気を集め、SNSの総フォロワーは100万人超え。企業の広告モデルにも続々と起用されています。
(AWW・守屋貴行代表)
「これは彼女の日常風景なんですけど、こういう表情を表現するのは、なかなかできないので。いまだに人間だと思っている人は沢山いるみたい」
immaを生み出したのは東京都のベンチャー企業。生身の人間と見間違えるほどのリアルな姿はどのように作り出しているのでしょうか。
(AWW・プロデューサー ジューストー沙羅さん)
「まずバーチャルヒューマンの顔を作らないといけない、モデリングという作業がある」
クオリティを左右する重要なカギは「骨格」。作業は、AIや合成技術に頼らず、数か月かけて人の手で整えていきます。
肌や目の色、そして眉毛の1本まで一切の妥協を許しません。
(AWW・プロデューサー ジューストー沙羅さん)
「人間はちょっと違和感があるだけで『これは人間ではない』とわかる。それ風に作っても全然人間に見えない。ここまで作らないと人間の目はだませない」
企業も「バーチャルヒューマン」に注目しています。
広告モデルにimmaを起用した野村HDに聞くと。
(野村HD 谷垣浩司執行役員)
「従来の人物やイラストではない目をひくようなインパクトが必要。immaさんのもつ未来感が我々の目指すブランドイメージに一致した」
また、バーチャルヒューマンならではのメリットもあるといいます。
(野村HD 谷垣浩司執行役員)
「イメージが普遍的なのは、バーチャルならではの利点。“不祥事がない”ですし、想定外にイメージが変わるものではない」
企業広告にSNSと、活躍の場を広げるバーチャルヒューマン。テクノロジーの発展でこんな「未来」が訪れるかもしれません。
(AWW・守屋貴行代表)
「彼女自身も自我を持ってしゃべりだすというタイミングも訪れる。すぐそばまで来ている。タレントに代わる立ち位置のバーチャルヒューマンも生まれればアナウンサーだとか、受付システムだとか。ゆくゆくは日本を代表できるようなキャラクター、タレントになるといいなと思っている」