過疎化進む地域をどうする 地元住民が「年末放談会」 京都・南丹

過疎化が進む知井地域の将来について関係者らが語り合った放談会(南丹市美山町・旧知井小)

 京都府南丹市美山町の旧知井小で17日、過疎化が進む知井地域の将来を考える「年末放談会 どうする!? ちい(知井)き」があった。住民をはじめ観光や福祉、行政など各分野で知井の活性化に取り組む関係者が問題意識や取り組みを共有し、連携の可能性を探った。

 地域を持続させる多彩な試みが横でつながる場を設けようと、知井振興会が企画した。

 前半は8団体が活動を紹介。市美山観光まちづくり協会の高御堂和華事務局長は、かやぶき屋根の材料となるかやの刈り取りが人手不足のため、体験ツアーをしたと報告し「地域に何かを返せるスタイルの観光を模索している」と説明した。

 市社会福祉協議会の清水昇臣さんは、各集落の高齢者サロンでの交流が深まり、日頃の見守り合いにもつながるなど、「間接効果が高く、支援を続けたい」と意義を語った。

 後半は、聴衆も交え約30人が自由に話し合った。都市部の学生が草刈りなどを手伝う「ワークキャンプ」を催す団体と、社会貢献で森林整備を続ける企業がともに協力する方法を考えるなど、新たな展開を模索した。

 地域外との連携を訴える意見の一方、働く場所など「住める環境にしないと活性化はしない」との声もあり、熱のこもった議論が繰り広げられた。

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