「不登校の子の意思を尊重して」悩む保護者にセミナー 家での向き合い方を学ぶ

不登校の子の意思を尊重し見守ることの重要性を説く福本さん(福知山市末広町・SIROらぼ)

 不登校の子どもを持つ保護者向けのセミナーが9日、京都府福知山市末広町の児童支援施設SIROらぼであった。不登校から立ち直る過程を解説した講演を通じ、保護者らは家での向き合い方を学んだ。

 臨床心理士として不登校の子の支援に携わる福本早穂さん(70)=京都市山科区=が講師を務め、不登校の小中高生を持つ市内の父母17人が参加した。

 福本さんは自身の子育て経験も踏まえ、子どもの意思を尊重して無理に登校させず、コミュニケーションを取りながら見守る重要性を説いた。思春期の引きこもりはゲームやスマートフォンに熱中する傾向があるといい、「つらい思いから離れられる大切な時間。好きなだけさせてあげて」と呼びかけた。

 参加者は深くうなずき、ハンカチで目頭を押さえながら真剣に聞き入った。中学1年の娘が小学4年から不登校になっているという母親(54)は「娘とどう接したら良いかずっと悩んできた。娘がやりたいことを尊重し、信じて見守っていきたい」と話していた。

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