鮭川のバラ、あなたに 安彦園芸、直販拡大へオーナー制度

出荷前のバラを手に持つ安彦健一社長=鮭川村・安彦園芸

 県内有数のバラの産地である鮭川村で長年栽培を手がけている安彦園芸(安彦健一社長)は、消費者との直接のつながりやファンを増やそうと、クラウドファンディング(CF)を活用したバラのオーナー制度を開始した。出資者にバラの花束を届け、直販を拡大していく方針。

 オーナー制度は5千~10万円の5プランを設定し、バラのフラワーアレンジメント(出資額5千円)や花束30本(同1万円)などを届ける。贈答用として、送り先と配送日を指定することもできる。発送前にバラの好みを聞き取り、それに合った品種を届ける。生育状況を村の季節の風景と併せて報告。魅力を発信して地域活性化にもつなげる。

 日本政策金融公庫山形支店の紹介を受け、CFサイト「ブースター」で出資者を募っている。当初の目標金額50万円を超え、既に約80万円を達成し、新たに100万円を目標に据えた。安彦社長は「お客さまの生の声を聞き、新鮮なバラを届けたい。生産現場にもぜひ足を運んでもらいたい」と話す。

 同社は1993年からバラの生産を始め、ハウス7棟(約7600平方メートル)で周年栽培している。年間約20種類90万本を出荷していたが、新型コロナウイルス禍で結婚式などの需要が激減。2020年の出荷量は年間約50万本、1本当たりの平均単価は従来の7割ほどに低迷した。その後、需要は徐々に回復し、現在の単価は従来とほぼ同水準に戻り、23年は約70万本の出荷を見込んでいる。

 オーナー制度の問い合わせは同社0233(55)2611。出資は「ブースター」のQRコードから。

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