米沢市内の大学生らが市や民間企業と協働で企画・運営に関わった大学の新入学生向けバスツアーが、内閣府の「地方創生☆政策アイデアコンテスト2023」の大学生以上一般の部で最高賞に次ぐ優秀賞に選ばれた。併せて東北経産局長賞を受けた。学生の地域への愛着を育むため、地元住民の交流に力点を置いたプログラムが評価された。
コンテストは高校生・中学生以下、大学生以上一般、官民連携の各部で行われ、約1500件の応募があった。
バスツアー「米沢オモシロ調査隊」は、官民による米沢市内大学の支援組織・学園都市推進協議会が主催。山形大、米沢女子短期大の学生が企画・運営に加わり、今年5月に行った。従来の観光中心を一新し、里山暮らしを楽しむ移住者や農家、まちづくりに取り組む「面白く、頼れる大人」との交流をメインにコースを設定した。両大と米沢栄養大から66人が参加し、インスタグラムで発信。学生の感想から、米沢生活への期待感の高まりがうかがえたという。
市内3大学の学生数は計約3500人。卒業後は大半が市外に転出し、米沢との縁が薄れるという。現状打開のため、山大が昨年、市や大日本印刷(東京)と連携して行った集中講義で、学生が「米沢に愛着を持ち、卒業後も関わり続けるための方策」を考えた。信頼できる大人とのつながりで地域への愛着が育まれる―との仮説を立て、今回のツアーに結びつけた。
ツアーは来年以降も続ける方針。担当した山大工学部の落合文吾教授は「米沢で『お世話になった人』が増えることで、定着する学生が増えたらうれしい」としている。