那須雪崩事故刑事裁判7人の遺族が意見陳述「雪崩は人災」改めて訴え・結審は来年2月29日

那須町で登山の講習中だった、大田原高校の生徒と教諭合わせて8人が雪崩に巻き込まれ死亡した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われている講習会の責任者だった男性教諭3人の16回目の刑事裁判の公判が、19日、宇都宮地方裁判所で開かれ、意見陳述で遺族は亡くなった息子への思いを語り、改めて人災だと訴えました。

この事故は2017年3月、那須町で登山講習中だった大田原高校山岳部の生徒と教諭合わせて8人が、雪崩に巻き込まれ死亡したものです。

業務上過失致死傷の罪に問われているのは、講習会の責任者や生徒の引率などにあたっていた猪瀬修一被告(57)、菅又久雄被告(55)、渡辺浩典被告(60)の3人です。裁判では雪崩を予見できたかなどが争われています。

19日は、被害者参加制度を利用した遺族7人が意見陳述を行いました。遺族らからは、愛する息子を失った悲痛な思いが語られ、雪崩事故は人災だと訴え被告の教諭らに厳しい処罰を求めました。

次回の公判は来年2月29日に開かれ、被告人らへの論告求刑、最終弁論などが行われ結審する予定です。

公輝さんの父・奥 勝さん「無罪となった場合、8人もの生徒を死なせてしまったとしても、今後、教員は罪を問われないという悪しき前例になってしまうと思う。しっかりと学校安全に対する楔を打っていただく判決を望む。」

優甫さんの父・毛塚 辰幸さん
「被告人たちの顔つき・顔色を見ていたが、耳を貸さないぞといわんばかりの顔つきだと思った。彼らが非を認めてくれたらという思い。」

宏祐さんの父・佐藤 政充さん
「伝わるようにできるだけ丁寧に時には被告人の方を見て訴えた。被告人にも届いてほしいが今までの言動をみていると難しいと思うため、裁判所に届いていればいいなと」

淳生さんの母・高瀬 晶子さん
「最後のチャンスだと思って一生懸命訴えたが、伝わったという感じは無い。裁判所がどう判断してくださるか、今はそこだけ。」

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