陸上自衛隊、うるま市のゴルフ場跡地で夜間訓練などを想定 沖縄県内の自衛隊整備費用に計473億円

(資料写真)防衛省

 【東京】防衛省が沖縄県うるま市に新たな陸上自衛隊の訓練場を造る計画を巡り、ミサイル部隊の発射機を展開する訓練や自衛隊ヘリでの輸送訓練、夜間訓練などを想定していることが20日午前、関係者への取材で分かった。防衛省は2024年度中にうるま市のゴルフ場跡地約20ヘクタールを取得し、2026年度にも着工する。

 関係者によると、ゴルフ場跡地の既存の地形を活かし、大規模な造成工事は実施せず、外柵などを設置する。訓練場としての用途に加え、大規模災害時の自衛隊の展開場所にも活用する。いずれの訓練でも、実弾は使わず、空包を使用する。

 防衛省は24年度予算案に、うるま市石川の東山カントリークラブ跡地を新たに取得する費用を計上。陸自第15旅団(那覇市)を27年度までに師団規模へ改編する計画に伴い、陸自訓練場を新設する必要があると判断している。

 関係者によると、防衛省はすでに、この土地の所有状況などについて調査を始めている。一方、跡地周辺には県立石川青少年の家や県警察学校、沖縄自動車道が隣接しており、地元への丁寧な説明が求められそうだ。

 また、県内の自衛隊施設の整備に関する費用として473億円を充てる方針を固めたことも20日午前までに、関係者への取材で分かった。

 陸自第15旅団(那覇市)の師団改編に伴い、陸自那覇駐屯地の司令部庁舎の一部地下化や隊庁舎整備に141億円を計上。陸自石垣駐屯地の射撃訓練場の整備などには104億円を盛り込んだ。

 23年度中に地対艦ミサイル連隊本部と、指揮下のミサイル中隊が発足する陸自勝連分屯地に関しては、施設整備などに48億円を計上している。(東京報道部・新垣卓也)

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